三次試験を明日に控えて
第158回
明日はとうとう最後の試験、ソムリエ呼称三次試験です。
最後の最後に、三次試験の心構えをもう一度、激励と共にお伝えします。
最後までやり通せばいいんです。実技で落とされることはまずありません。
三次試験を明日に控えて
ソムリエ呼称の方は明日三次試験に挑みます。戦いに挑む皆さんに最後の激励です。
ソムリエ呼称三次試験受験の方へ
しっかり練習できましたか?練習でできた8割いや、7割できれば問題なく合格です。多少厳しくなったとの話はありますが、このソムリエ実技は「基本、通してあげよう」というスタンスです。何度もお伝えしているように、少々失敗しても全く問題ありません。
以前にも申し上げましたが、試験官は受験生を一目見れば、日常的にレストランやバーで抜栓しているかどうかがわかります。慣れていない人はバレるのは確実ですから、開き直ってできることをしっかりやる、そして結果7割くらいを目指しましょう。誰もが緊張し、いつもの力を発揮できないものです。
そして、本当に大丈夫です。実技だけでダメな人はまずいません。”最後までやり通せば大丈夫”とご自身に言い聞かせて、しっかり頑張ってください。
それでも、最後にもう一度実技対策をまとめます。
ソムリエ実技で大切なポイントはワインに澱があるかどうかを悩むことではなく、澱があるかどうかはレストランに勤めるソムリエとして事前に知っているという”想定”で(どちらの理由にするかを決めて)、お客様にデキャンタージュの理由を説明することから始まります。→2015年度がそうだったのですが、”澱のある想定で”と言われた方がやりやすいかもしれませんね。
実際の(実技に使われる)ワインには澱なんてほぼないですから、若いワインで澱がない想定ならその方向でサービスを続けることが正しいんです。
何度も言いますが、若いワインで澱がないのにボトルにワインを残してはいけません。残す理由がありません。ただ、若いワインを開かせるつもりでデキャンタージュしてみると”澱があった”ということはままあります。そのときはその旨をお客様に伝えればよいだけですが、実技にそこまでのリアルさを求める必要は全くありません。→思い切り自信のある方、実力を見せつけてやろうくらいの意気込みの方は、もし澱が見えたら5ミリ以下残しを目指しましょう。8ミリ以上残したら下手くそだなぁと思われるかも。
結局、どちらかに決めて、若いワイン(2023年度であれば例えば2014年以降など10年未満のもの)なら澱がないことにして全て移し替える。澱がある想定ならほんの少し(1〜2センチ)残す。これでいいんです。
そして、誰もがものすごく思いっきり緊張します。ちょっとだけ残す自信の無い人は、全てのワインを移し替える方がたくさん残し過ぎて失敗した~というリスクがなくなりますし、なによりも残す量の微調整しなくて済むので時間の短縮になります。
ですから、若いワイン(何年まで若いかは自分で決めていいです。決められない人は2015年までは若い事にしましょう!)であれば”ワインを開かせるため”のデキャンタージュをお勧めしているんです。
通常のボルドーであれば10年以内のワインの澱なんて(もちろんワインによりますが)、そんなにありません。あってもまだかなり細かいことが多いですし、ちゃんと保管・管理していれば、デキャンタージュしてボトル残したとしてもほんの数ミリにおさまりす。→実際にレストランであればそれ以上残しているようでは怒られます。
※ ちゃんと保管・管理とは…
ごくごく当たり前の事を書きますが、配送されてきたワイン(特に数年を経た古いもの)はしばらく立てておき(最低数週間)、沈殿させるべきものはボトル底に落としておく。そして寝かせて保存するのであれば底にたまったものを舞い上がらせないように気をつけて本当にゆっくりと気を遣って寝かせます。注文を受けお客様にお持ちするときもパニエにこれまた細心の注意を払いながらそっと入れて静かにお持ちする。
ということです。
実技試験に挑む為の心構え
・間違いなく緊張しますから、その上でどこまでできるのかをイメージしておく。
・ミスはミスとして受け入れる。ミスしたことを引きずってペースを乱さず、何があっても最後までやり通す。
・周りの受験者の言動・ペースに惑わされず自分のリズム・イメージで実技を続ける。
→”ボトルを落として割ってしまい、実技続行不可能”くらいのミスをしなければどうやっても合格です。何か手順を忘れようと、多少こぼそうと、ボトルにワインを残しすぎようと、そんなことは多少の減点で、合否には全く影響ありません。
また、緊張して眠れない場合もそれはそれで受け入れる。一次試験、二次試験の前日にもお伝えしましたが、今日一日くらい寝なくても何も問題ありません。明日は緊張でそれどころではないでしょうから。眠れない方はイメージトレーニングで最後の仕上げをしましょう。
堂々と戦ってきてください!あなたなら絶対大丈夫です!
皆さんの健闘を心よりお祈りいたします。
牧野 重希