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合格に必要な試験対策問題の取り組み方・オススメ問題集

2024/02/09
 
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第16回

以前お伝えしたメドックの格付けでの、「松岡さん談・ちょっと残念な二級」の話は覚えていますか?
その後、こんな意見があったそうです。

~~~~~~~~~~~~~~

前々回のAOC Margauxに関する意見、とても面白かったです。
特に「第2級」の格付けから考えて残念という意見を読んで、私も同じように思っていたのでちょっと嬉しくなりました。
私の周りのワインラヴァー達はMargaux2級格付けのワインであれば、必ず「美味しい~」と言います。いや、そのなんというか、ボルドー好きな私ですが、ポイヤックやサン・ジュリアンの同じクラスのワインに比べるとなんとなく物足りないと感じることが多く…。もちろん、飲み頃とかいろいろあるのでしょうが…。

松岡様の残念!の意見を読んで何か共感できるものがありました。

さて、マルゴーのワインは女性的と言われることがあります。あの素晴らしいシャトー・マルゴーがあるからでしょう。私のAOCマルゴー全体のイメージはボルドー左岸の中ではちょっと田舎っぽくてくすんだ感じです。マルゴーという名前勝ちの部分に便乗しているシャトーがあるのでしょう。また、鉄道を通す際の土地の分断など、土壌的にも他の三つのAOCに劣っているところがあるようです。

とはいえ、78年以降のCh. Margauxは本当に素晴らしい。世界を代表する赤ワインだと断言できます。また、他にも素晴らしいシャトーがあります。

ワインを選ぶ際に最も大切な最後のポイントは”誰が造ったか”です。私はいまいちな生産者のAOCマルゴーよりも、優秀な生産者のAOCオー・メドックやAOCフロンサック等を躊躇なく選びます。

ただ、ソムリエ試験では生産者レベルの問いはほとんど見られませんから、試験的には全く知る必要はありません。

~~~~~~~~~~~~

”味わい”とは面白いものだなぁと感じます。
味わいが純粋に五感で感じることだけではないことは、皆さんもご存じだと思います。

ブラインドテイスティングを繰り返していくとよくわかるのですが、先入観のあるなしで確実に味わいが変わります。最初はわからなかったソービニヨン・ブランの”青さ”をブドウ品種がわかってから感じるようになるなど、私たちは自分がイメージした何かを探してしまうようです。

また、特にシャンパーニュは”味わい”よりも完全にイメージ先行です。大きな声では言えませんが、世界一の販売量を誇る超有名シャンパーニュのスタンダードキュベが、純粋に味わいだけであればシェアナンバーワンである理由に疑問を感じざるおえません。完全にブランディングワインになっています。

ワインに限らず、テレビやCM等で目にするから良いものという刷り込みも同様でしょう。ただ、イメージ先行が全て悪いとは言えません。それも含めて”味わい”と考えることもあるからです。高級レストランでの食事は料理だけでなく空間と時間、イメージも提供しています。

今は詳しく調べる必要はありませんが、ボルドーにも3級や5級なのに2級より価格の高いワインが存在します。その価格設定が正しいかどうかは置いておいて、市場から「格付けの階級以上の評価」を受けているシャトーがあるということです。→Ch.PalmerやCh.Pontet-Canetなどがそうです。この試験に合格した後、是非皆さんの舌で確かめてみて下さい。

今日は、ボルドーの対策が一段落したこのタイミングで、過去問について少し掘り下げてお話ししたいと思います。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!

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合格に必要な試験対策問題の取り組み方・オススメ問題集

 

もし可能なら、過去問に解答を記載していただけないでしょうか。勉強を始めたばかりで、自分の解答に自信がありません。よろしくお願い致します。

この講座にはこのようなメールが毎年届きます。同様にお思いになられる方もいらっしゃるでしょうから、ここでこの講座の考え方をお伝えしておきます。

結論から申しますと原則解答は記載しません。理由はいくつかあるのですが、


この”ちょっとまじめにソムリエ試験対策こーざ”はソムリエ試験合格に特化した構成となっております。一次試験対策に関しては、CBT方式に対応するためにもまずは基本からという方針で進めており、【過去問】(=ソムリエ協会が受験者に求めてきたこと)を基準にその回の内容をまとめております。ですから、その日の講座内容とお手持ちの教本を照らし合わせることで自ずと正解は導かれるはずです。また、それだけではわかりにくいと判断したものには【解説】でフォローしています。


CBT試験以前の【過去問】の模範解答は書籍やネットなどで広く公開されております。ただ、模範解答は試験が行われた時に作成されたものであることが多く、現在の状況には当てはまらない場合も多々見受けられます。ワインは農作物であり、生産高などは年々変化します。また、ワイン法に関しても毎年どこかの国で変更がなされております。

このような農作物であるワインというものを勉強するにあたって、過去の模範解答を鵜呑みにすることは得策とは言えません。その日の講座内容を理解し、どのような形で出題されているかを確認すると共に、現在のソムリエ教本に準じた解答を意識してほしいと思っています。→この講座では教本の最新情報を公開するよう努めております。


結局、一次試験対策は”暗記”作業に終始します。見たことも聞いたこともなく、また、読みにくい横文字を覚えなくてはならないのです。多くの人にとってすんなり頭に入るものではありません。覚えては忘れ…の繰り返しです。この時に、何かきっかけがあれば、または苦労して覚えたものは忘れにくいものです。

【過去問】【CBT想定問題 】の解答がわからない時、自信のない時は自分で調べましょう。

調べている間はその事柄を強く意識しているはずですから、正解がわかったあとの記憶の定着にも差が出ます。さらに、いくら調べてもわからなかった時はそのまま放置しましょう。潜在意識はそのような事柄を私たちが気づかないところでも意識し続けてくれます。そしてその後、なんらかの形で解決した暁には”暗記”した以上の知識、理解につながるはずです。

このように自分で調べるという行為を積み重ねて得た知識こそが、CBT方式の一次試験対策として最も有効だと考えます。さらに、7月以降、一次試験前にはある程度教本に目を通さなくてはならないんです。であれば、今から全てを読む必要はありませんが、「調べる」という行為を通して該当箇所に目を通しておくことで教本に慣れるという効果もあり、一次試験直前に読んだ時の理解が格段に違います。

以上の考えのもと、この講座において【過去問】【CBT想定問題】に原則解答を付けることはございません。ご理解ください。→正解が複数想定される問題は、実際に問われた内容を明確にするために解答を記載しているものも一部あります。

さて、本題の取り組み方の話をしましょう。

一次試験がCBT方式に変わり、いわゆる過去問と呼ばれるものが公式に世に出回ることがなくなりました。そして、皆さんご存知の通り難易度が上がり、ある程度は教本を読み込まないと答えられない出題の割合がこれまでに比べて上がりました。
→これまでの情報を整理すると、だいたい約6割くらいが基本問題(これまでの過去問的な問題)、残り4割が教本問題(CBT方式になって出題されるようになったちょっと難しい問題)といった感じです。ただ、出題はこの割合を意識したものではなくランダムのようです。今までこの”こーざ”の懇親会で色々な方の話を伺いましたが、「基本問題が7割以上でした」「ボルドーの格付けが3問も出題されました」という方もいれば、「基本問題なんて4割くらいで本当に難しかった」という方もいらっしゃいました。また、二回受験できるのですが、人によっては一回目がとても難しく二回目の受験に不安を覚えたにも関わらず、二回目はすんなりと楽々一次試験突破を確信したという方もいれば、その反対で、二回目受験の方が難しかったという方もいらっしゃいました。難易度も人それぞれ感じ方は違いますしね。

それでも、ワインの基本は変わらないわけで、また、難しくなったとはいえ、基本問題が約半分以上を占めており、この講座では何よりもワインの基本を抑えるべく、現存する過去問を中心とした構成に、これまでに集めたCBT方式の過去問、想定問題の内容を絡めて進めてまいります。実は私も出題傾向を一度確認すべく、エキスパートの試験を受けてまいりましたが、基本問題さえ押さえれば必ず合格できると確信しています。

そして、各産地の最後の回、または各回の末尾に【過去問】【CBT想定問題】を記載していきます。毎回勉強したことが過去にどのような形で出題されてきたかをその都度確認しましょうというスタイルは変えないつもりです。

序盤からお伝えしてきておりますが、「過去問や問題集は本番直前の力試し」という考え方はやめましょう。ちゃんと覚えてから、一通り暗記を終えてからでは効率が悪いんです。記憶があやふやな時にこそ、過去問や問題集を利用し記憶を定着させるべきだと考えます。また、過去の試験問題を直前まで見ないで試験対策を行うということは相手の情報を知ることなく戦いを挑むようなものです。以前もお伝えした言葉です。

敵を知り、己を知れば、百戦して危うからず。

勝負事の定石です。相手のレベルと自分の現在の実力との差をわかっていないようでは、合格はおぼつかないでしょう。

【過去問】は力試しというよりは、試験ではこのように問われてきましたよということを伝えてくれているんです。
実際に過去問を通して出題傾向を肌で感じ、覚えなくてはならない事柄を試験に即した形で覚えていただきたいと考えております。

繰り返しさまざまな問題に相対することで、記憶の定着につながることは間違いありません。わかっていないことに気づいたり、間違えることは非常に大切です。学生時代の中間テストや期末テストで試験中に悩んだ問題や間違えた箇所ほどよく記憶に残った経験はないでしょうか。これらを利用しない手はありません。

人間は、たたただ単純に暗記するより、他の様々な刺激と一緒に覚えたことのほうが記憶に定着するようにできているのです。

 

さて、メドックの格付けの暗記は終わりましたか?、なかなか一度で頭に入るものではありません。繰り返し暗記するしかありませんが、【過去問】を通してこの格付けを見るとまた違った角度から捉えることができます。

まずは、力試しです。下の【過去問】に挑戦してみてください。

【過去問 1】
次のシャトーの中から1855 年のMedoc の格付けで、A.O.C Margauxの3級のシャトーを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Chateau Pouget
2. Chateau Prieure-Lichine
3. Chateau Desmirail
4. Chateau Lascombes

【過去問 2】
次の 1-4 の Medoc 1855 年の格付ワインの中から A.O.C. 名が Haut-Medoc とラベルに表示され、格付等級が最も上位なものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Chateau Cantemerle
2. Chateau La Lagune
3. Chateau Leoville-Poyferre
4. Chateau La Tour-Carnet

どうでしょうか。ちゃんと答えられましたか?

解答の前に、メドックの3級格付けの一覧を見ていただきます。

・Ch Calon Segur サン・テステフ
・Ch Lagrange サン・ジュリアン
・Ch Langoa Barton サン・ジュリアン
・Ch Ferriere マルゴー
・Ch Malescot Saint Exupery マルゴー
・Ch Marquis d´Aiesme Becker マルゴー
・Ch Desmirail マルゴー/カントナック
・Ch Palmer マルゴー/カントナック
・Ch Kirwan マルゴー/カントナック
・Ch d´Issan マルゴー/カントナック
・Ch Cantenac Brown マルゴー/カントナック
・Ch Boyd Cantenac マルゴー/カントナック
・Ch Giscours マルゴー/ラバルド
・Ch La Lagune オー・メドック/リュドン

教本にもどの参考書にもこのような文字列が並んでいます。これを一回二回で暗記することは不可能に近いでしょう。

【過去問1解説】
ちゃんと3.と答えられましたか?三級の中でもChateau Desmirailはかなり地味で、記憶に残りにくいと私は思います。でも、こうして設問に出てきたことによって記憶に残りやすくなります。

また、もしこの問題が「四級を選びなさい」というものだったら答えられましたか?戻ってちょっと考えてみてください。
Pougetがたとえ解答には関係なくとも、何級だったかなと思って調べた方はただ単に一覧表を眺めている方に比べて数倍記憶に残るはずです。

このように選択肢に並んでいる事柄を一つ一つ確認して、一覧表とは違った角度から見ることも効率的な勉強法だと言えます。

【過去問2解説】
このような問われ方をされても大丈夫ですか?、La Laguneは比較的記憶に残りやすいです。それでも、La Laguneが三級・オー・メドックであるという知識だけではこの問題の正解にたどり着きません。このように過去問を通して暗記する必要があるわけです。

格付け一覧表をただただ暗記してばかりでは、上記のような出題にあれっと思い、選択肢のならびに騙されることがあります。反対に、問題をこなしているうちに、ソムリエ協会独特の言い回しにも慣れ、よく出題される項目とそうでない項目に気づくようになっていきます。→これがとても大事です。

【過去問 3】
次の 1-4 の中から Chateau d’Yquem の格付名称として正しいものを 1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Premier Cru Superieur
2. Premier Cru Classes
3. Premier Cru
4. Grand Cru

【過去問3解説】
間違いなく教本に書いてありますが、目にしてもなかなか頭に入らないものですが、このようなことをご自身で試験問題から拾って覚えるほうが身につくものです。

このように、問題の形式に慣れておくことが必要なのです。スポーツで言えば練習試合ということになるのでしょう。→基礎練習のみで大会に出場するスポーツなんてありませんよね。

CBT試験になってから書店に並ぶ試験対策問題集がだいぶ少なくなりました。こちらで確認できるものを紹介しておきますね。→現在はまだありませんが、これから2024年度版が発行されると思います。それにしても少ないですね。ソムリエ協会の問題秘匿体質も影響しているのかもしれません。資格試験としてはかなり特殊な対応になっております。
こちらはおすすめした参考書と対になっているものです。
受験のプロに教わる ソムリエ試験対策問題集 ワイン地図問題付き〈2023年度版〉

ちなみに参考書はこちら(参考書も少なくなりほぼ一強です)→「受験のプロに教わる ソムリエ試験対策講座 ワイン地図帳付き〈2023年度版〉

下記のCBT対策問題集は受験された方にとても評判が良かったのですが、これはある程度一次試験対策が終わってから総仕上げの時に使いましょう。
覚えやすく、学びやすい、ソムリエ試験対策問題集 2023年度版: CBT方式に勝つ!受験のプロが分析した出題高確率の1250問

極論を言えば、過去問を通して覚えるべき事柄を整理し理解し暗記する。これが資格試験対策の最短距離だと思っております。→どんな国家試験、たとえば司法試験であろう過去問対策は必須事項です。

過去問と問題集を最大限活用し、まずは基礎固めです。この基礎がないと7月後半から8月の教本ラストスパートができないんですから。

そしてまだ、ぜんぜんあせる必要はありません。今は少しずつでもいいんです。ただ、毎日少しずつ頑張りましょう。

何かございましたらこちらまで
info@majime2.com
牧野 重希






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