前管理人　退任のご挨拶

皆さんにご報告がございます。

11年間続けてまいりましたこの「ちょっとまじめにソムリエ試験対策こーざ」の管理人を退任することにしました。

思い返せば2010年の夏、思いもよらぬ大病を患い、３回に及ぶ手術の末、なんとか救われたものの、上半身にゴツいコルセットを装着しての療養生活が始まりました。痛みと不自由さに耐えながらのリハビリ中に、たまたま受験したシニア試験の勉強内容を忘れないためにと2011年の秋に始めたのが「ちょっとまじめにソムリエ試験対策こーざ」でした。またこのタイトルも、まさかこんなに長く続くとは思っていなかったこともあり、何の気なしに決めたものでした。結局、その後３年間は全く働くことができず、病室か自室にこもらざるを得ない療養生活の中、唯一の社会活動がこのサイトの更新でした。

始めた当初は全く振るわなかったアクセス数も春を過ぎ、夏になるころにはそれなりに、コメントや質問等をいただけるようになり、読んでいただいていると実感できるまでになりました。ただ、この頃はまだ自由に歩くことさえままならず、体が元に戻るかどうかもわからないという恐怖と悲しみの中、ゴツいコルセットに上半身全てを固定されたいつ終わるとも知れぬ療養生活が続きます。先が全く見えず、不安に押しつぶされそうになったことも一度や二度ではありませんでした。2013年の秋に社会復帰することができたのですが、そこまでの私を支えてくれたものは間違いなくこの”こーざ”の存在でした。

読んでいてくれる方がいると感じたこと、少しであっても人の為になっているだろうと思えたことが 、私が病院と家族以外に接点を持てる唯一の「社会」であり、 生きるための原動力でした。

社会に属していないことがこれほどまでに辛いものとは思いもよりませんでした。人間は社会的動物とはよく言ったものです。今考えても、このソムリエ試験対策を始めていなければ、精神的に耐えられなかったであろうと思っています。

振り返るとあっという間の11年間でした。そして何よりもこの”こーざ”を続けて良かった思う事が、多くの方々との”縁”です。 あの病気になって良かったとは今でも一ミリも思いませんが、そこを乗り越え、このソムリエ試験対策を続けたことで多くの方々との出会いがありました。（病気になっていなければおそらくフランスから帰らなかったでしょうから）

私は「ワインは縁を紡ぐのもの」だと信じておりますが、その言葉の通り、皆さんとの出会い、縁は私のなによりの宝物です。

これまでありがとうございました。本当に感謝しております。

私は退きますが、来年度以降「ちょっとまじめにソムリエ試験対策こーざ」は、東京の後輩ソムリエに引き継ぎます。彼ならば、私以上に”もっとまじめに”この講座を進めてくれるでしょう。

また、私もどのような形になるかわかりませんが、たまには力になれればと思っております。改めてまして、「ちょっとまじめにソムリエ試験対策こーざ」共々よろしくお願い致します。

松岡　正浩