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オーストリアワインについて <A>

2022/05/03
 
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第75回

今月で令和になって丸三年が過ぎました。

この「令和」、万葉集の「梅花の歌 三十二首の序文」からの典拠、その「梅花の歌」の”令”と”和”が見られる箇所が下記です。

初春の令月にして 気淑く風和らぎ 梅は鏡前の粉を披き 蘭は珮後の香を薫らす

【読み】
しょしゅんのれいげつにして きよくかぜやわらぎ うめはきょうぜんのこをひらき らんははいごのこうをかおらす

【現代語訳】
時は初春の素晴らしい月で、空気は良く、風は和み、梅は鏡の前のおしろいのように白く花ひらき、蘭は飾り袋の香りのように匂っている。

3月初旬頃のイメージでしょうか。電気もガスも暖房も時計も電話もテレビもなかったこの時代。私たちが1ミリも想像できないほど、春を心待ちにしていたことでしょう。

さて、令月は「素晴らしい月」と現代語訳にあるように、「令」には「嘉」や「良」の趣意があるそうで、令嬢・令息というように”よい”意味を表す漢字です。また、命令の「令」でもあり、「令和」を「和たらしむ」と読めば、「世の中を平和にさせる、という穏やかな印象にあふれている。世界が調和され、平和が永遠に達成されるというメッセージが込められているのでは」と聞いたように思います。

”名は体を表す”というように「令和」が平和や幸せを意味すると多くの方が感じることで、一刻も早く平和で穏やかな日々が訪れると信じて止みません。

※表紙はヴァッハウのグリューナー・ヴェルトリーナーの畑

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オーストリアワインについて <A>

 

オーストリアは地理的に(時計の12時の位置に)チェコ、(3時に)スロバキア、ハンガリー、(6時に)スロベニア、イタリア、(9時に)スイス、ドイツに囲まれています。緯度はフランスのブルゴーニュと同じくらいでしょうか。

ソムリエ試験対策としてはCBT試験以降、最重要国の一つとなり、フランス・イタリアで少なくなった料理の問題まで見られます。また、シニア試験の二次のテイスティングにオーストリアを代表する白ブドウ「グリューナー・ヴェルトリーナー」が出題されたのも記憶に新しいところです。そして、いつになるかわかりませんが一般呼称のテイスティングでも出題される日が来るでしょう。

グリューナー・ヴェルトリーナーはしっかりとした酸とミネラルに支えられた比較的厚みのある爽やか系白ワインとなります。ただ、まだ秋の二次試験には出題されたことがないので、”合格”する為にグリューナー・ヴェルトリーナーは視野に入れないでテイスティング対策を進めましょう。中途半端に意識すると必要以上に迷ってしまい失敗する可能性が高くなると私は思います。

近年、グリューナー・ヴェルトリーナーのみならず、素晴らしいオーストリアワインを度々見かけるようになりました。試験に合格した後に是非お試しください。


地図は旅のとも ZenTechさんにお借りしました。ありがとうございます。

目次

 

A オーストリアについて

概要<19>
栽培地域は北緯47~48度でブルゴーニュとほぼ同緯度です。<18><19><21>また、西部は山岳地帯であるため<18>、ワイン産地は東部に集中しています。→Niederosterreich州とBurgenland州で全栽培面積の88%を占めます。<19>ドイツ語圏で、ドイツと同じ品種も多いのですが、ワインはよりボリューム感とメリハリ感のある辛口に仕上げられます。栽培面積の2/3が白ブドウ<18>です。

有名なものに「ホイリゲ」があります。これは新酒<18><19><20><21>という意味で、フランスのヌーヴォーと並んで広く知られており、新酒を尊び、若飲みする傾向にあります。
また、「ホイリゲ」にはワイン生産者兼居酒屋(ブッシェンシャンク)<18>の意味もあり、オーストリアのワイン産地全域で数多く見られます。このように他国にはあまり見られないワイン製造業と飲食業が共にあることもオーストリアワイン業界の特徴です。また、ワイン生産量の約8割が国内消費で、地産地消型の生産国でもあります<18>

気候風土
大陸性気候で降水量が少なくドイツより温暖<18>、ブドウ栽培地域の一般的な気候的特徴は「天気の良い夏と、長く穏やかで夜冷え込む秋」です。保水性の少ない一部の斜面の畑では灌漑を行う必要があります。ワイン産地の標高は一般的に200mほどです。<19>

風がブドウ栽培に大きな影響を与えます。北からの冷たい風、東にあるハンガリー・パノニア平原からの乾いた暖かい風<18>、南の地中海から湿った暖かい風<18>、西のアルプスからは冷たい風<18>です。
また、水の影響として、日光を反射し寒暖差を調節するドナウ川<18>や霧によって貴腐ワインを生み出すのノイジードラーゼー(ノイジードル湖)<19>があります。

オーガニック大国
EU随一のオーガニック大国で、全農地中のオーガニック比率が25.3%で第一位。(イタリア15.2%→スペイン9.7%→ドイツ7.7%→フランス7.7%、EUの平均は8.5%)また、全ブドウ栽培面積の16%がオーガニック栽培、14.7%がサスティナブル認証を取得しています。<18>

B 主要ブドウ品種

白ブドウ
① Gruner Veltliner<20>=Weiβgipfler<21>→全栽培面積の1/3を占めます。白黒合わせてもダントツ一位!
② Welschriesling<20>→伝統的に日常ワインに(=リースリング ・イタリコ)
③Riesling(=Rheinriesling)
・Morillon(=Chardonnay)
・Pinot Blanc(=Weiβer Burgunder)
Sauvignon Blanc(=Muskat Sylvaner)
・Muller-Thurgau(=Rivaner)
Neuburger<18>
・Roter Veltliner<18>
・Rotgipfler<18>
→R、Nが頭についたら白ブドウ…。

黒ブドウ
① Zweigelt<19><20>(=Rotburger)→栽培面積第二位!(黒ブドウで一位)St.Laurent×Blaufrankisch
② Blaufrankisch<20>(=Frankovka)
③Merlot →上がってきました。
St.Laurent<18>
・Pinot Noir(=Blauer Burgunder)
・Cabernet Sauvignon →こちらも伸びてます
・Blauer Portuguiser
・Blauer Wildbacher<18>
→同様にBがついたら黒…Black。



C ワイン法と品質区分

1995年にEUに加盟、ワイン法もEUに準じたものになりました。

オーストリアの品質区分は、ドイツのエクスレに対して、KMW糖度<18><20><21>が基準となります→KMW=クロスターノイブルガー・モストヴァーゲというブドウ果汁の純粋な糖のみの重量%を示す方法。1869年に開発されました。

◆品質区分←ドイツに近い。

1. 地理的表示なしワイン
オーストリア産ブドウのみを使用すること、KMW糖度10.7度以上

2. g.g.A:地理的表示保護ワイン<19>
Landwein<20>
単一のブドウ栽培地方の40認可ブドウを使用、栽培地方名表記、KMW糖度14度以上

3. g.U:原産地呼称保護ワイン<18><20>
・国家機関による品質分析と官能味覚検査
・ボトルにPrufnummer(プリュフヌマー:国家検査番号)の表記
・キャプシールにバンデロール(赤白赤のシンボル)
・下記の4つのカテゴリーに分かれます。

① Qualitatswein<20>
単一生産地域の40認可ブドウを使用、KMW15度以上、アルコール度数9度以上

② Kabinett<18>
Qualitatsweinの条件を満たし、KMW17度以上、補糖不可<19>

③ DAC<19><21>
原産地呼称制度。Qualitatsweinの条件を満たした当該産地がDACステータスを申請し、地方から省庁によって承認、大臣通達でDAC(Districtus Austriae Controllatus)と呼ばれることに。当該産地名とつなげて表記しなければならない。

④ Pradikatswein<18><20>
補糖・ズュースレゼルヴェ不可、アルコール度数9度以上、下記の6カテゴリーに細分化される。
・Spatlese:完熟ブドウ、KMW19度以上<20>
・Auslese:完熟粒よりブドウ、KMW21度以上
・Beerenauslese:過熟または貴腐ブドウ、KMW25度以上
・Eiswein:凍結ブドウ、KMW25度以上<20>
・Strohwein/Schilfwein:藁の上、吊るして3か月以上乾燥ブドウ、KMW25度以上<20>
・Trockenbeerenauslese:貴腐ブドウまたは特に乾燥ブドウ、KMW30度以上<18><20>
・Ausbruch:自由都市ルストで作られるトロッケンベーレンアウスレーゼに対する呼称=ルスター・アウスブルッフ<18>

※Ried(リート)<21>:単一畑を意味する表記
※ズュースレゼルヴェ:いつかまた出てきますが、今調べてください。

2002年ヴィンテージ以降、品種と糖度に基づく上記品質区分に加え、フランスのAOC、イタリアのDOCG/DOCのような原産地呼称制度を積極的に推進しています。

発泡ワイン<18><20>
Osterreichischer Sekt mit g.U

3段階にわかれます。<20>

① Klassik(クラシック)
単一州内での収穫、最大アルコール12.5%、最低9か月瓶内熟成、生産方法・ドサージュ・色(白・赤・ロゼ)全て可、原産地表記は州名のみ、ヴィンテージ表記可

② Reserve(レゼルヴェ)
単一州内での収穫・搾汁伝統的瓶内二次発酵、最低18か月瓶内熟成、搾汁率60%、ブリュット・エクストラブリュット、ブリュットナチュールのみ、白ワインと赤ワインのブレンド不可、収穫手摘み、全房プレス

③ Groβe Reserve(グローセ・レゼルヴェ)<18><21>
単一内での収穫・生産地区内で搾汁、伝統的瓶内二次発酵、最低30か月瓶内熟成<18>、搾汁率50%、登録畑名表示、収穫容器内に35センチ以上積み上げてはいけない、アルコール度数規定なし
↑この発泡ワインの規定はまずはなんとなく眺めておいてください。

その他
・Perlwein(ぺアルヴァイン):広義で2.5バール以下の発泡ワインを指します。<19>

・Schaumwein(シャウムヴァイン):発酵からもたらされる炭酸ガスを含んだ発泡ワイン。最低3バール以上、最低アルコール度数8.5%以上<20>

・Bergwein:傾斜角が26度を超える斜面のブドウから造られたワインに伝統的に認められてきた表記<18>

まずはここまで。過去問で確認してみましょう。


ソムリエ試験 過去問

【過去問】
ウィーンのワイン産地とほぼ同じ緯度に位置する地域を次の中から 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. シャンパーニュ
2. ブルゴーニュ
3. カルヴァドス
4. ラングドック

【過去問】
オーストリアで最も広く栽培されている黒ブドウ品種を次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Gruner Veltliner
2. Spatburgunder
3. Weißburgunder
4. Zweigelt

【過去問】
次のオーストリアワインの説明文の中で正しいものを1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. ドイツと国境を接しているがワイン法などは全く違う考え方である
2. 栽培面積は白ブドウよりも黒ブドウの方が多い
3. 気候はドイツに比べ温暖である
4. 黒ブドウの栽培比率が最も大きい品種は Blaufrankisch である

【過去問】
オーストリアワインに伝統的に認められてきた表記で、傾斜が 26 度を超える段丘や急斜面に植えられたブドウ樹から収穫したブドウを原料としたワインを 1 つ選 び、解答欄にマークしてください。

1. Bergwein
2. Strohwein
3. Ausbruch
4. Gemischter Satz

【解説】
Gemischter Satzは次回に。

【過去問】
オーストリアで最も栽培比率が大きい黒ブドウ品種を 1 つ選んでください。

1. Merlot
2. Blauburger
3. Blaufrankisch
4. Zweigelt

【過去問】
次の記述に該当するオーストリアのプレディカーツヴァインの格付けを 1 つ選んでください。

「過熟したブドウ、および貴腐化したブドウを用いる。果汁のKMW糖度は25度以上」

1. Eiswein
2. Strohwein
3. Beerenauslese
4. Trockenbeerenauslese

【過去問】
次の記述に該当するオーストリアのプレディカーツヴァインの格付けを 1 つ選んでください。

「完熟したぶどうを藁や葦の上、もしくは吊るして 3 カ月以上自然乾燥させ、糖度の高くなったぶどうで造るワイン」

1. Auslese
2. Beerenauslese
3. Strohwein
4. Ausbruch

【過去問】
次のオーストリアのワイン用ぶどう品種の中から白ぶどう品種を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Blaufrankisch
2. Blauburger
3. Neuburger
4. St.Laurent

【過去問】
次の中から、完熟したぶどうを藁(わら)もしくは葦(あし)の上で、あるいは空中にひもで吊るして3ヶ月以上乾燥させてから造るオーストリアワインの品質区分名称に該当するものを1つ選んでください。

1. Auslese
2. Strohwein
3. Ausbruch
4. Eiswein

【過去問】
次のオーストリアのPradikatsweinの中から、果汁のKMW糖度規定が最も高いものを1つ選んでください。

1. Eiswein
2. Ausbruch
3. Beerenauslese
4. Strohwein

【過去問】
オーストリアワインはドイツワインとの類似点が多くみられるが、白ワインについての違いとして最も適切なものを下記の中から1つ選んでください。

1. より爽やかで、辛口が主流
2. よりまろやかな半甘口が主流
3. よりボリューム感のある辛口が主流
4. より軽快な辛口が主流

 

次回はオーストリアのワイン産地についてです。

何かございましたらこちらまで
info★majime2.com 松岡 正浩






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