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主要”黒”ブドウ品種の特徴

2021/03/20
 
この記事を書いている人 - WRITER -

第44回

少し前にこのようなメールをいただきました。

ソムリエ二次のテイスティング対策ですが、ワインスクールに通っているわけではないのでとても不安です。でも、まだ始めたばかりの一次試験対策に追われてまだ全く手を付けていません。一次試験に合格しないと二次には進めないわけですし…。

特にテイスティング対策を独学で行うことは、いろんな意味で大変です。私は二十年前の受験当時、一人暮らしで、手伝ってもらえる人も共に受験する知り合いもいませんでした。そもそもワインを飲む環境がなかったのです。

一人でブラインドテイスティングを行う為に数本準備したワインを見えないところに番号をふったグラスにそそぎ、目を瞑ってグラスの位置順を変えてなんてことをやっていました。

テイスティング方法もこんなやり方でいいのかと悩み、自分が理解しているのかどうかすらわからず不安になったものです。今思えば、何もわかっていない状態で試験を受けたことは間違いありません。
→”当時の私”に言いたいことが山ほどあります(笑)。テイスティングコメントなんてまるで意識していませんでした。二次試験直前にマイナーなアルザスのピノ・ノワールをテイスティングし、そのイメージをもって試験会場に向かい大失敗しました…。今考えても、あのレベルで合格できたことが不思議でなりません。でも、このころから運が良かったんだと思っています。

さて、テイスティング対策に対する不安、私も経験しましたからよ〜くわかります。二次試験当日にどこまで求められているのかすらわからない方も多いと思います。不安で、何から始めてよいのかわからないかもしれませんが、とにかくワインを感じてみてください。

これまでの経験からも少しでも早い時期から多少なりともワインを感じておいた方が直前の伸びが違うと感じております。ですから、例えば、テイスティングすると決めた週に3日から4日連続で、寝る前の20分間集中してワインを感じてみるんです。
→一回に数本のワインを抜栓するとして、その日に飲みきることはないでしょうから、三日、四日は連続してテイスティングすることになるのではないでしょうか。有名な小瓶移し替え作戦でもイイすし。

最初は堅苦しく考える必要はありません。とにかくワインを感じて、その感じたことを書きとめる。しばらくはこれだけで十分です。→繰り返しますが、感じたことを書いてください。

何かを学ぶ、身に付ける際に思うことは、ある程度慣れが必要だということと、少し時間を置くことで自然と自分の中で昇華されていくということです。

英語などの語学も勉強したからといって、すぐに結果が表れるわけではなく、しばらく伸び悩む時期があって、そこを乗り越えてから成績や結果が伴うと言われます。テイスティングも同じようなものだと思います。ちょっと時間がかかるのです。

もう一つの理由として、極端に集中してテイスティングを連日行うと口の中が麻痺しておかしくなることがあります。これは私が実際に経験し後悔したことがあるので、だからこそテイスティング対策も今から並行して進めるべきだと思っています。→この話は二次試験前にでもお伝えします。

これまでいろいろな人を見てきて思っていることですが、今からどれだけ頑張っても二次試験当日までにワインがわかるようになったと実感することはほとんどないと思います。そんなに簡単にわかるものではありません。だからといってテイスティングを行わなくてもよいかと言われればそれは違います。それでも努力しなければならないのです。

ワインがわかることとソムリエ試験に合格することは全く別の話です。そして、”それほど”わからなくてもなんとか合格することができるんです!信じて付いてきてください。

実は試験に合格してからが本当のスタートなんですから。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!

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主要”黒”ブドウ品種の特徴

 

今回は主要黒ブドウ品種の特徴についてお伝えします。

2018年にグルナッシュが、その前の年にマルベックが出題されました。ちょっとびっくりしましたが、ほとんどの方が答えられなかったでしょうから合否には関係がなかったはずです。

今後も、この講座において主要ブドウ品種としていないアイテムが出題される可能性は大いにあります。ただ、例えば、マルベックをカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロと想定してテイスティングを進めてもテイスティングコメント的にはそんなに大外ししませんので、問題ありません。さらに言えば、ガメイ/仏とピノ・ノワール/仏を、カベルネ・ソーヴィニヨン/米とシラー/豪を取り違えてもまぁ幾分減点されるくらいです。
しかし、ピノ・ノワール/仏とカベルネ・ソーヴィニヨン/仏を取り違えると、また、近年は差が少なくなりつつあるとはいえ、フランス産と新世界産を取り違えると大きなマイナスになります。色調、酸、アルコールのボリューム等の違いからテイスティングコメントが大幅に異なってしまうからです。

毎年、ブドウ品種正解「0」で合格される方がいらっしゃいます。ブドウ品種を当てることだけが重要ではないということです。合格するためにはブドウ品種にこだわる以上にタイプわけを間違えないことが大切なんです。ブドウ品種正解「0」で合格された方は、そのタイプわけのところで大きく外しておらず、テイスティングコメントがそれなりに適切であったと考えられるからです。

それでも、ブドウ品種を当てることがそれほど重要ではないとはいえ、各ブドウ品種の特徴を知らずして先に進むことはできません。




カベルネ・ソーヴィニヨン

二次試験に出題されるブドウ品種の中で最も黒く濃い色調です。ピーマンやハーブ、黒い果実をはじめとする複雑な香り。収斂性があり渋味が強い。
※試験対策としてカベルネ・ソーヴィニヨン/仏をテイスティングする場合、ボルドー左岸(AOC MedocやAOC Haut-MEdocなど)のものを選んでください。カベルネ・フランやメルロ などがブレンドされていますが、フランスでカベルネ・ソーヴィニヨンと言えばまずはボルドー左岸です。というのも、フランスにおいてカベルネ・ソーヴィニヨン100%というワインはあまり存在しないことに加え、ソムリエ試験二次の選択肢には「主なブドウ品種」と書かれており、100%であることを求められておりません。

・外観
濃い。黒のニュアンスが最も強い。粘性もしっかりとしています。

・香り
基本的に“黒っぽいもの”の香りがします。カシス・ブラックベリーなどの黒い果実ピーマン、森の中、鉛筆の芯(ボルドー)、コーヒー、インクなど。樽のニュアンスを感じ、とても複雑です。アメリカやオーストラリアのものになると緑っぽさが少なくなり、より熟したニュアンス、甘く濃厚になります。黒い果実もコンポートやジャムのニュアンスに。樽の風味もより強くなります。
→この複雑さを理解してください。シラー/シラーズはここまでの複雑さがないんです。

・味わい
渋味と複雑さが特徴です。黒系果実の凝縮感、酸、アルコール全てがしっかりしている為、ガッチリした印象で、いろんな要素が主張します。ソムリエ試験的には、ネッビオーロの次に渋味(収斂性)を感じます。ただ、新世界のものはより凝縮感に勝るため、渋みだけをそれほど突出して感じないこともあります。

・まとめ
カベルネ・ソーヴィニヨンは過去に四カ国のものが出題されています。特に新世界のカベルネ・ソーヴィニヨンは圧倒的な果実味の凝縮感にアルコールのボリュームを感じることが定番でした。ただ、近年、濃くて果実味重視のスタイルからエレガントなスタイルに移り変わりつつあることも事実です。

フランス以外のものの生産国を判別するのは非常に難しいです。それでもなんとか新世界産のカベルネ・ソーヴィニヨンをそれとなくわけてみると、アメリカ産は果実の凝縮感・アルコールのボリュームで群を抜き、ただ、やや単調で余韻に甘味が残ります。オーストラリア産もアメリカ産に近い印象ですが、なんとなく清涼感と緑っぽさを感じ(フランス産とは違うユーカリの緑)、チリ産は独特の香りがあり、酸味が強い気がします。しかし、時間もありませんから、細かいことはあきらめて、フランス産か新世界産の二者択一を意識するのが賢明でしょう。
→カベルネ・ソーヴィニヨンに限った話ではないのですが、オーストラリアの赤ワインからは独特のユーカリっぽさを感じることが多いんです。それはね…。

シラー/シラーズ

カベルネ・ソーヴィニヨンと同様に色が濃いのですが、その中でも何となく明るさを感じます。私はこのブドウ独特の酸を感じるのでほぼ間違えません。マリネされたオリーブの酸味ってイメージなんですがわかりますか?

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・外観
濃い。濃くて黒いけどほんのり明るく華やかな感じ。粘性も強い。

・香り
よく黒コショウの香りスパイシーと表現されますが、私は上記のオリーブのちょっと緑っぽい酸味が一番わかり易いです。加えて、赤黒い熟した果実と複雑なスパイスの風味。動物的なニュアンスを感じるものもあります。

・味わい
酸味をしっかり感じます。これは、カベルネ・ソーヴィニヨンほどの複雑さがない為、より酸味を感じるというわけです。それでも、渋味やその他の要素もしっかりしているため、強いワインのカテゴリーに入ります。こちらもオーストラリア産になると暖かい産地であり果実の強さが主張するため、酸が穏やかになります。

・まとめ
フランス産とオーストラリア産の違いは比較的わかりやすいです。オーストラリアのシラーズは酸が控えめで、アルコールのボリュームを感じます。果実味はより熟した感じ、ジャムっぽくなります。カベルネ・ソーヴィニヨンとシラー/シラーズの酸の違いを感じてほしいです。→そして、オーストラリアのシラーズが、最もユーカリのニュアンスを感じることが多いと言えます。



ピノ・ノワール

ソムリエ試験的に赤ワインで淡い色調といえばピノ・ノワールです。この段階でまず頭に思い浮かべるべきです。ただ、ガメイやマスカット・ベーリーAも微妙なラインですし、新世界のピノは濃い色調のものもあります。

・外観
他の主要ブドウ品種に比べて圧倒的に明るく輝いています。赤く淡い色調で、透けてグラスの向こう側が見えることが多いです。←色素量が少ない。

・香り
赤い果実のニュアンス。スミレやバラのような華やかな香りも感じられます。白ワインのようなスッキリとした印象があり、特にフランスのピノ・ノワールはミネラルによる清涼感を感じることがあります。渋味は控え目ですが、それでもちゃんと感じます。

新世界産ではNZアメリカの順に熟したニュアンス、樽の風味が強くなります。

・味わい
香りの印象通り赤い果実が主体で、特にキレイな酸が特徴です。とってもエレガント。香りと同様に新世界のものは酸が低くなり、凝縮感・樽のニュアンスが強くなります。

・まとめ
淡い色調に赤い果実のニュアンス、そしてエレガントです。

サンジョヴェーゼ

イタリアっぽさというものがあるように思います。それを言葉にするのは難しいのですが、あえてここに書くなら、”ちょっとひねていて土っぽくて甘い”と言ったところでしょうか。

このイタリアっぽさに加え、このサンジョヴェーゼは独特の酸味を感じることが多く、比較的にバランスが取れていると思います。→かなりの生産量を誇り、非常に幅広くさまざまなタイプが造られているので一概に言えませんが。

・外観
赤黒いニュアンス、どちらかと言えば濃い目でちょっとくすんだイメージです。

・香り
赤い果実と黒い果実が混ざります。土っぽく、やや鉄っぽい。そして、シソの香り。さらに独特の薬っぽい香りを感じることが多いです。シラーのように酸味を思わせる香りも。樽のニュアンスが前面に出ているワインもあります。

・味わい
酸味と乾いた渋味、やや甘い果実味が特徴的。酸味と甘さが主体の軽めのワインからフランス・ボルドーに近いしっかりとしたワインまで幅広く造られています。

・まとめ
私はどうしてもイタリアっぽさを感じるところから入ります。土っぽいのです。後述のネッビオーロよりもこの土っぽさをより感じ、渋味は控えめです。



メルロ

ソムリエ試験的にとっても難しいので、自信のある方以外は今のところ無視です。どうしてもという方は、日本のメルロ に特化してテイスティングしましょう。

ネッビオーロ

イメージは強烈に渋くて土っぽいピノ・ノワールです。イタリアの比較的冷涼な地域で栽培される為か、私の思うイタリアらしさをサンジョヴェーゼほど感じません。

・外観
比較的淡い系からやや濃い系までさまざまですが、ソムリエ試験に出題されるとすれば予算的にも前者です。←透けて向こうが見えるけど、ピノほどではない。赤黒い感じ。バローロ、バルバレスコに数年間の熟成義務があるように、ある程度こなれた状態で市場に出てきます。ですから、グラスの縁に少し熟成したレンガ色を目にすることが多いように思います。

・香り
赤から黒系果実の間。熟成義務がある地域であることを含め複雑なニュアンスを持ちます。フレッシュなフルーツの感じが少ないと考えてもいいです。血っぽさ、紅茶、キノコ。スパイスや樽のニュアンスも比較的しっかりと感じます。

・味わい
ややこなれた味わい。渋みが強烈、酸味もしっかり目。バローロやバルバレスコの熟成期間はネッビオーロの渋味を和らげるためと言われており、もともと収斂性のある品種です。カベルネ・ソーヴィニヨンと比べると、カベルネが黒果実のニュアンスが主体であるのに対して、こちらはかなり赤い感じが混じります。また、カベルネはここまではっきりと酸を感じません。

・まとめ
私は受験時代にピノとの違いに悩んだ経験があり、ピノとの関連性を意識してしまいますが渋味の強いシラーのイメージという方もいます。独特の存在感があります。

ガメイ

ピノ・ノワールに近い感じがしますが、よりシンプルでやや甘く、緩い感じ。ピノ・ノワールとは違いそれほど渋みを感じません
→二次試験のタイミング的にボージョレ・ヌーヴォーが試験に出ることはなく、AOC Beaujolaisでは特徴をとらえるにしても価格的にも試験向きだとは思えません。フランス以外のものは出題されないでしょうからCrus du Beaujolaisクラスを想定しています。

・外観
比較的淡い色調とはいえ、ピノ・ノワールよりは濃い。意外に紫が強い輝きが少ない

・香り
赤い果実とスミレの香りが主体。全てではありませんが、地域的にマセラシオン・カルボニックによる独特のバナナ香が見られます。そして、余韻といいますか残り香に丁子のような漢方的なニュアンスを感じることも。シンプルな香り。ピノ・ノワールのように複雑さ、奥行きを感じない。ちょっと土っぽいニュアンスもあり。シソ、イチゴキャンディー。→やや淡い色調でバナナ香、甘いニュアンスを感じたらガメイを疑ってください。
※シンプル=(悪い言い方をすれば)単調。

・味わい
ワインによってはしっかり目のワインもありますが、こちらも基本的にそれほど複雑さはなく、全体として赤系果実主体のシンプルな味わい渋味をほとんど感じないことが特徴。

・まとめ
私は二次試験当日、ガメイとピノで大いに悩みました。今となっては良き思い出です。ガメイはピノ・ノワールとは異なりシンプルで収斂性をそれほど感じず、イチゴキャンディーっぽさをより感じます。

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このイチゴキャンティーは低価格のピノ・ノワールやガメイ、後述のマスカット・ベーリーAの特徴的な香りです。

マスカット・ベーリーA

近年、主要ブドウ品種に仲間入りしました。べーリー種とマスカット・ハンブルグ種の交配品種。→詳しくは日本の項目で勉強します。

何と言っても特有の甘い香りが一番の特徴です。意外と濃いめの色調、そして色調のわりにタンニンを感じず渋みが少ない一般的に軽めでフレッシュな赤ワインとなりますソムリエ試験的にはガメイと迷うところまで行けばOKです。

・外観
意外に濃いとはいえ、カベルネ・ソーヴィニヨンやシラー的な強さはもちろんありません。ガメイと同じくらいのイメージでしょうか。粘性もまぁ、それほど感じないことが多いです。→でも、日本は暖かいので…。

・香り
特有の甘い香り。基本はイチゴ系の赤い果実が主体。加えて、イチゴキャンディー、綿菓子(綿あめ)、蒸した芋など。ガメイよりも甘みが強く、よりしっとりしたニュアンスを感じます。

・味わい
みずみずしい果実味に、優しい酸味、渋みをほとんど感じないことから軽めでフレッシュな印象です。香りの”甘さ”に通じる果実味を味わいにも感じます。ガメイと同様に複雑さはなく、シンプルで余韻は短い。

・まとめ
ガメイとマスカット・ベーリーAが共に複雑さのないシンプルなタイプであることをまず理解しましょう。その後、余裕のある方はガメイとの違いを意識してみるとよいと思います。マスカット・ベーリーAはガメイに比べて酸は穏やか、全体的に甘くてちょっとぼんやりしているイメージです。

お疲れ様でした。白ブドウに引き続き黒ブドウも難しいですね。受験当時私もかなり苦労しました。←そして、結局あまりわかんないまま試験会場に向かいました…。

ここはゆっくりとテイスティングを繰り返しつつ理解に努めてください。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩






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