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赤ワインを比較する。

2023/09/21
 
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第119回

こんな真っ黒なグラスがあります。
black 2016

当然、外観の印象は全くわかりません。
このグラスを使ってブラインドテイスティングを行うと、白ワインと赤ワインを間違えることがあります。時にワイン会などでも、参加者の意見が白・赤半々にわかれることがあるくらいです。→バリバリのソムリエがブルゴーニュの村名クラスのピノ・ノワールとシャルドネを本気で間違えたりするのだとか。

また、ロゼワインはこの真っ黒いグラスでテイスティングするとほとんどの人がロゼと答えることができません。
全日本最優秀ソムリエコンクールおいても、このような真っ黒なグラスでワインが出題されることがあるのですが、決勝に集うトップソムリエもロゼと答えることができませんでした。

本当に難しいものですね。

日常的に情報量として脳がインプットしている割合は、視覚83%というデータがあるそうです。ワインテイスティングに関しても視覚情報によって作られたイメージに基づく先入観がその分析に大きく影響を与えているのだと思います。

このように、ソムリエ試験二次においても外観をしっかり見ることがとても大切です。外観がすべてではありませんが、外観から得られる情報は皆さんが思うよりとても多いんです。外観でイメージした流れをもって香りに進めるかどうか、目の前のワインをとらえる大事なポイントです。

さて、それではメルマガの復習です。今日は赤ワインを比較します。

一次受験中の方、二次対策もしっかりやりますので、まずは目の前の一次合格にしっかり集中しましょう!
↓外観も合格もイメージすることで見えてくることがあります。
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赤ワインを比較する。

 

白ワイン同様に赤ワインを比較します。

始める前に少しだけ、白ワインと赤ワインの味わいにおける一番の違いは何かわかりますか?

【ヒント】→復習なのでこのヒントいらないですよね(笑)
醸造行程が違います。←この違いがパッとわからない方は今調べましょう。
そして、黒ブドウから白ワインを造ることはできますが、白ブドウから赤ワインを造ることはできません。
※黒ブドウから造られる白ワインで有名なものにシャンパーニュのブラン・ド・ノワールがあります。

そうです。渋味の有無です。味わいに関しては単純に白ワインに渋味を加えると赤ワインと考えることができます。そして、赤ワインのテイスティングにおいて、渋味をどのように感じるかということがポイントの一つになります。

さて、始めたいと思います。

目次

 

1. 外観を比べてわかること。

・濃淡を見る。
淡いのか、濃いのか、その濃さはどの程度なのかを判断できるようになることでわかることがあります。

ソムリエ試験的に言えば、淡い色調であると判断したならば、真っ先にピノ・ノワールをイメージしなければなりません。
ガメイ・マスカット・ベーリーAは淡い系寄りですが、どちらか悩むこともあります。また、新世界には色の濃いピノ・ノワールもあります。

また、白ワインと同様に、暖かい地域のワインほど色が濃くなります。

・「赤っぽい」か「黒っぽい」かを判断する。
赤ワインの外観を見るときの二番目のポイントがここです。過去に出題されたアイテムの中で最も「赤っぽい」ものがピノ・ノワールで、「黒っぽい」ものがカベルネ・ソーヴィニヨンになります。
また、熟成によっても色調が変わります。若いワインは紫のニュアンスが強く、熟成が進むにつれて赤く(褐色)なっていきます。

「赤っぽい」  ←  「黒っぽい」
ピノ・ノワール → ガメイ / マスカット・ベーリーA → サンジョヴェーゼ / ネッビオーロ → シラー(シラーズ)→ カベルネ・ソーヴィニヨン

熟成に関する規定があることなどもあり、文化的にイタリアワインは赤味を帯びる確率が高くなります。反対に若くて果実味たっぷりのワインが好まれる新世界のワインは、紫の色調を感じることが多いと言えます。

・粘性
上記の「赤っぽい」→「黒っぽい」の順が、粘性の「弱」→「強」に当てはまると言えなくもないのですが、ブドウ品種の特徴に加えて、生産国・地域によるアルコールのボリュームに由来することも加味しなければなりません。

粘性が「軽い」 → 「強い」
フランス / 日本 → NZ / スペイン / イタリア / チリ → オーストラリア / アメリカ

なんとなくこんなイメージでしょうか。

※外観である程度イメージを持って香りに進むことがとても大切です。→少なくとも冷涼なイメージか温暖かくらいは意識して先に進みたいものです。

2. 香りを比較する。

・「赤い果実」系か「黒い果実」系にわける。
白ワイン以上に複雑な香りを持つ赤ワインですが、単純にわけてしまいます。香りのニュアンスはワインの色調にそれなりに比例します。

「赤い果実」系 ← 「黒い果実」系
ピノ・ノワール / ガメイ / マスカット・ベーリーA サンジョヴェーゼ / ネッビオーロ→シラー(シラーズ)→ カベルネ・ソーヴィニヨン

左から右に進むにつれて黒い果実(カシスからブラックベリーなど)のニュアンスが強くなります。とはいえ、いろんな香りが複雑に交わっていますので、ブドウ品種それぞれの特徴的な香りと合わせて感じられるようになってください。

・生産国によるニュアンスの違い
なんとなくですが、それぞれの生産国、地域によってそれなりに系統立った香り、ニュアンスを感じます。それらがとくに赤ワインに顕著に感じられるので、少しだけ紹介してみます。

・フランス
どの国よりも酸・ミネラルのニュアンスを感じます。また、ハーブっぽさも一番わかりやすい。

・イタリア
土っぽさ、埃っぽさ、薬品的な風味、酸化的なニュアンス。

・アメリカ
過熟感、熱感。樽の強いニュアンス。酸、ミネラルのニュアンスはどの国よりも少ない。

・オーストラリア
アメリカに近い雰囲気ですが、特有の「ユーカリ」の青さを感じることが多いです。

・チリ
伝えずらいのですが、独特の香りを感じることがあります。ちょっと他の国にはない雰囲気で、香りに酸を感じるとでも言うのでしょうか…。アメリカほど強い過熟感、熱感はありません。

※新世界のワインに使われる樽のニュアンスについて
主にアメリカンオークが使用されます。フレンチオークよりも個性が強く、チョコレート、ヴァニラ、ココア、ゴムなどの強くわかりやすい香りを感じます。

3. 味わいの違い、強弱を感じる。

理想は外観・香りである程度の方向性を決めて、味わいで確認です。→ただ、残念ながらなかなかうまくいかないものです。

・渋味を感じる
赤ワインと言えば渋味です。渋味の強弱を感じてください。

渋みが穏やか ←→ 強い
ガメイ / マスカット・ベーリーA → ピノ・ノワール → サンジョヴェーゼ → シラー(シラーズ)→ カベルネ・ソーヴィニヨン ネッビオーロ

ネッビオーロ以外、おおよそ赤果実系品種が穏やかで、黒果実が強くなるほどしっかりと感じるようになります。

・酸味を感じる
酸味が強い ←→ 穏やか
ピノ・ノワール → ネッビオーロ → サンジョヴェーゼ  → ガメイ / マスカット・ベーリーA / シラー(シラーズ)→ カベルネ・ソーヴィニヨン

カベルネ・ソーヴィニヨンにもしっかりとした酸があるのですが、酸以外の要素もしっかりと主張する為、それほど感じません。反対にガメイ / マスカット・ベーリーAは酸だけではなく全体としてそれほど主張しない感じです。

・アルコールも含め全体的なボリュームを感じる
軽め ←→ しっかり
ガメイ / マスカット・ベーリーA → ピノ・ノワール →【ここに大きな差があります】 → サンジョヴェーゼ / ネッビオーロ → シラー(シラーズ)/ カベルネ・ソーヴィニヨン

サンジョヴェーゼとネッビオーロは、ここ↑では同じポジションにいますが、ワインとしてのポイントは違います。

・アルコールのボリュームを国別で比べてみます。
軽め → しっかり
フランス / 日本 → NZ / イタリア/ チリ → オーストラリア / アメリカ

アルコールのボリュームは粘性とまずまず連動します。

 

4. そして判断する

ブドウ品種を当てることがメインではありませんが、ブドウ品種をタイプにわけて考えることがソムリエ試験的に最も効率が良いとこの講座では考えています。それを簡略化してフローチャートっぽくまとめてみました。
※ガメイとマスカット・ベーリーAは最後にどちらか判断するものとして、ここではひとまずひとくくりで考えます。

ピノ・ノワール=PN仏、PN新(ニューワールド)
ガメイ=Ga
サンジョヴェーゼ=Sa
ネッビオーロ=Ne
シラー(シラーズ)=Sy仏、Sy新
カベルネ・ソーヴィニヨン=CS仏、CS新

外観
色調から三つにわけます。

a 淡く赤っぽい色調
→まずはPN仏、少し濃くて粘性高ければPN新、Gaもあり、あるいはNe…。

b どちらかと言えば濃いけど、ものすごく濃いわけではない
→Sa、PN新、Ne、Ga

c 濃くて紫っぽい
SyCS。フランスか新世界かはさておき、明らかに”濃い”判断した時は基本この二品種。

香り
香りのタイプでさらに五つにわけます。

a1外観淡赤 / 香り「赤い果実」
→ほぼPN(仏か新かは強さで判断)、もしかしたらGかも。

a2外観淡赤 / 香り「フレッシュな果実を感じず複雑」系→やや熟成感、違和感を感じた時のみNe。

外観やや濃赤 / 香り「赤から黒果実」
→ここが一番難しい。比較的幅広くなんでも当てはまる可能性があるとも言えます。SaやPN新、もしかしてSy仏、Gaもありかなと。

c1外観濃紫 / 香り「赤から黒果実」系→Sy仏
c2外観濃紫 / 香り「黒い果実」系→Sy新CS
→正直、このように言葉にしてわけることが難しいのですが、今の段階ではSyのCS違いを意識して欲しいので。

・味わい
渋味・酸・ボリュームを意識して判断します。

a1 淡赤 /「赤い果実」系
・酸が上品で、それほど複雑ではないけど、バランス良く、渋味もないわけではない。
PN仏の可能性が高いけど、アルコールのボリュームによってはPN新かもしれない。

・味わいも単調で、ほとんど渋味、奥行きを感じない。パッと開いて、すぐになくなる感じ。
→イチゴキャンデーっぽさとバナナっぽさが前面に出ていればGa確定。

a2 淡赤 /「フレッシュな果実を感じず複雑」系
・強い渋みとしっかりとしたアルコールのボリューム感。色調以上に強さを感じる。
Ne

b やや濃赤/「赤から黒果実」系
渋味アルコールのボリュームを確認します。

・渋みがそれほど主張しないーボリューム軽めからちょい重め
→香りと同様に短調で余韻が短く軽めならGa。ちょい重めならPN新もあり。

・渋みがほどほどに主張ーボリュームちょい重め
→Sa。ただ、サンジョヴェーゼと言い切るのは難しいでしょう。

・渋み強いーボリュームちょい重め
→明確に渋みを感じて、フレッシュ感がなければNeの可能性あり。程々の渋みでフレッシュな果実味であればSy仏かも。

C1・C2 濃紫/「赤から黒い果実」系・濃紫/「黒い果実」系
ここの微妙な判断もなかなか難しい。シラーはどこか赤いニュアンスがあるということです。ここは、アルコールのボリューム複雑さを比べます。複雑さって難しいですけどね。

・アルコールのボリュームやや強ー複雑さ△
複雑さが少ない分、より果実味、酸味をしっかり感じます。→Sy仏

・アルコールのボリュームやや強ー複雑さ◎
フレッシュが果実味が前面に出てこず、いろんな要素が主張します。→CS仏

・アルコールのボリュームとても強い
とにかく果実味の凝縮感とアルコールのボリュームが特徴的
Sy新CS新(そして、この強さによってブドウ品種の特徴がかくれてしまうので、今のところこの二つの違いはわからなくていいです)

 

いや〜、難しいですね・・・。お疲れ様でした!
悩みすぎずにワインの強弱を意識しつつ、どんどんこなしていきましょう。

経験をしっかり蓄えてきた方は、自分の中に基準が出来上がり、少なくとも大きくタイプを外さなくなるイメージがつかめてきているのではないでしょうか。まだだという方は、そこをしっかり意識してテイスティングしてください。時間は多くはないですが、まだ2カ月あります。

ヴィンテージや生産地、生産国などは後回し、もしくは勘でも良いくらいです。

そこは、このあとご紹介する必勝マニュアルでしっかり対策しますからご安心ください。

一通りまとめてみましたが、ワインはさまざまな国で千差万別の考えを持った人々がさまざまな天候の中で毎年造っています。一言でこうですとは言えないものです。

一つの考え方としてフランスを基準にしてみるのも有りです。新世界産よりもフランス産の方が酸やミネラルに富み、メリハリがあるためブドウ品種の特徴がとらえやすいと感じます。フランスで自分の基準(ものさし)を持ち、違和感や強さを感じた時に新世界を思い浮かべるといった流れが自然でわかりやすいように思います。皆さんも自分の中に基準を持てるように頑張りましょう。

 

何かございましたらこちらまで
info★majime2.com 牧野 重希






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