第87回 赤ワインの尺度~ソムリエ協会の求めるベリー系の香り

   

少し前になりますが、このようなメールをいただきました。

勉強を始めるのが遅く、GWを過ぎたところで”シャブリ”なのですが、今から必死にやると間に合いますでしょうか?

いただいたコメントに対する私の返答はこちらです。

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正直申しまして、ちょっと厳しいかもしれません。ただ、この状況からでも合格する方はいらっしゃいます。実際に、昨年いただいた合格しましたメッセージに書かれていた一次試験対策の最短記録は二か月弱でした。

一次試験まであと二ヶ月ほど、もうこれ以上無駄な時間はない!というくらい真剣に努力すれば何とかなるような気もします。 そして、それくらいやりきることができれば、人生においても何かが見えるようになるかもしれません。ソムリエ試験合格以上に素晴らしい経験になることは間違いありません。来年以降受験を考えているのでしたら、今年思いっきり努力したことは200生きてきます。

私なら今日から思いっきり頑張る方を選択します。ただ、もし一瞬でも明日からでいいやと思われたならもう無理でしょう。

本気で頑張ると決めても時間がありませんからドイツ・スイス・ブルガリア・クロアチア・スロヴェニア・ルーマニア・カナダ、あとソムリエ試験的新興国はさらっと流す程度にしましょう。 もしくは受験直前のCBT試験出題情報のみに賭けます。

テイスティングはできれば週に一回は行ってください。ただ、一次試験が終わるまでテイスティングコメントは覚えなくていいです。ワインを比べて違いを感じてください。

テレビは一切見てはいけません。今日くらいと思った瞬間に負けです。さようなら。だらだらとネットサーフィン、SNSへのいいね!も同様です。

二、三月くらい本気になってみてはいかがですか?大変だと思いますよ、きっと。でも、秋から冬には今とは違ったあなたがいるかもしれません。

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このあとに前向きなメールをいただきましたので、今はかなりハイペースで頑張られていることと思います。

もうお一方より、

育休ママです。 休暇を期に資格とろうと少ない時間でコツコツやってきました。 あと一次試験開始まで二ヶ月弱、追い込みでどのように勉強したらいいかアドバイス頂けませんか?? まとまった時間が作れないので、困ってます。

最初にお断りしますが、私は子育ての経験がないので的確に答えられるかどうかわかりません。

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まとまった時間がないのであればなんとか細切れ時間を利用しましょう。お子さんはさぞ可愛いことでしょう。でも、急に泣き出したり、勉強に集中できないのかもしれません。 それでも、ポイントをまとめたメモを片手に家事をする。ボルドーのメドックの格付けを声に出しながら掃除機をかける。ご自身で吹き込んだ試験対策の要点を音声で流しながら育児を行う。などなど。←これ無理ですか?

小さなお子さんがいらっしゃるので”ながら勉強”でもいいじゃないですか。

育児と仕事を比べてどちらがたいへんなのかという議論はさておき、みな仕事や何かを抱えながら試験対策を行っています。育児が大変だから、仕事が早朝から深夜まで続くからというのはそれぞれの都合で、それを言い出したらキリがないと思うんです。そこはどうにもならない。だからあとは気持ちの持ちようです。私はこんなに可愛い子供に恵まれて、さらにワインの勉強もできる。合格したら資格も手に入る。その後、ワインの世界が広がる。素晴らしいじゃないですか。

一次試験までに自由になりそうな時間と(小さなお子さんがいると読めないのかもしれませんが)ご自身の試験対策の進み具合を照らし合わせて、あきらめるところはあきらめるなど、項目ごとに優先順位をつけて進めてはいかがでしょうか?そして、手の回らなかった箇所の対策は直前の出題情報のみに賭ける。もうなりふり構っていられませんから得点に結びつくように勉強する内容を割り振ることをお勧めします。(できればテイスティングも同時に進めていただきたい)

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このメールをいただいた方に限らず、これから一次試験受験日まで二か月間前後、本気で100%やりきることができれば、その達成感を持って試験当日を迎えられたなら、それはソムリエ試験合格以上に価値のあることだと私は思います。

ぬるま湯から出る決意をした瞬間、人間の成長は始まる。自分よりちょっと上にある不快ゾーンに手を伸ばそう。by 紫舟(書家)

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※表紙はブルーベリーです。

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第87回 赤ワインの尺度~ソムリエ協会の求めるベリー系の香り

石田さんの「10種のぶどうでわかるワイン」にベリー系の香りのついての記述があります。
※ソムリエ協会の重鎮である石田ソムリエがブドウ品種について感覚的なことも含めて書かれています。必ず読んでください。

非常に大切なことなのでここで読み返してみたいと思います。
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P103より原文より抜粋
・スグリ
味わいは軽く、酸味が主体のフルーツです。ワインはフレッシュで、若々しく軽いタイプを示します。
・ラズベリー
味わいはより強くなり、酸味も強いです。若々しいワインですが、より濃縮感があります。
・ブルーベリー
実もしっかりとし”カリッ”とした噛みごたえがあります。酸味と甘みのバランスがとれた味ワインとなります。
・カシス
甘さを連想させる香りがはっきりと感じられます。酸味もありますが、甘みや豊かさのあるワインです。
・ブラックベリー
凝縮感がとても強そうです。成熟度の高さが際立ちます。
・ブラックチェリー

酸味よりも、甘み渋みが前面に出ています。 

何の香りがするかととらえること以上に大切なのは、香りの変換をスケール(ものさし)と考え、成熟度合いを推測するためにベリーフルーツにたとえることです。

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この部分です。ソムリエ協会のテイスティング部門を司る方がこれが基準だ!とおっしゃっているのです。実際にカシスの香りがするから、これはブルーベリーっぽいな、なんて私たちがどう感じるかというレベルのお話ではありません。

スグリ→ラズベリー→ブルーベリー→カシス→ブラックベリー→ブラックチェリー

こんな目盛りのついた”ものさし”があるというイメージです。目の前にある赤ワインの成熟度がどのベリー系果実に当たるのか、ブドウ品種別にどのベリー系果実のニュアンスが顕著なのかを意識する必要があるということ。香りの強弱、凝縮感から上記のベリー系フルーツに当てはめ、これくらい成熟しているから例えばカシスだなとソムリエ協会の基準で判断できることが二次試験的に大変重要なポイントです。
→石田さんも書かれていますが、”ブドウの成熟度を「中間より上」と感じたならカシスといえばよい”ということです。まぁ、正直難しいです。最終的に、テイスティングコメントを覚えていただきますので、その時にカシスであればこの位置なんだなと思えれば十分です。

ブドウ品種別石田さんの目安
・カベルネ・ソーヴィニヨンはカシス
・メルロはブルーベリー
・ピノはラズベリーからブラックチェリーまで様々

・シラーはブラックベリーブラックチェリー

このように石田さんが書かれていますから、間違いなく一つの基準になります。

上記のベリー系果物の実際の香りを知ることが本当は大切なのですが(そんなことやってる時間もありませんし)、ソムリエ協会的にはこのベリー系果実を用いて特に黒ブドウの成熟度を表現しているんだということを理解してください。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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 - ◆二次のテイスティングはなんとかなる!, ・ベリー系の香りについて