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ワインのヴィンテージについて

2023/09/21
 
この記事を書いている人 - WRITER -

第122回

二次試験のテイスティングにおいて、各アイテムのヴィンテージが問われるのですが、はっきり言って難しいです。正直、数年の経験ではどうにもなりません。

プロとしてワインを長く扱っていると、それなりにヴィンテージの特徴を体が覚えてきます。飲食店では同じ生産者の同じ銘柄を、各ヴィンテージごとに何回も抜栓することになりますから、ボトル差も含め、その違いを何度も感じることになるんです。
自然とヴィンテージごとの違いにも敏感になっています。

もちろん、私以上にヴィンテージに精通した方も大勢いらっしゃるでしょうが、その方々でさえヴィンテージを正確に当てるのは至難の業でしょう。

さて、私よりも圧倒的にワインの経験値をもつ松岡氏のヴィンテージに対する考察は、当たり前ですがとても深いものです。かなり勉強になるお話ですので、余裕のある方は読んでみてください。

~~~~~~~~~~~~~~

私はこの20数年、飲食店に従事してきました。そして、日々の仕事の中でほぼ毎日テイスティングを行うわけです。特にグラスワインは手に入りやすいワイン、若いヴィンテージを選ぶことになります。たとえば、現在ですと2018年、2019年、2020年あたりのワインをお出しすることが多く、毎日これらのワインを集中的に比較試飲することになり、必然的に各ヴィンテージの感覚が身につくといった感じです。

フランスで働いていた頃は、幾人かのある特定の生産者から直接購入したワインをグラスで提供しておりました。生産者から送られてくるワインは当たり前ですが約一年間同じヴィンテージです。→たとえば2008年度には私は2006年ヴィンテージのワインをずっと使い続けていたという感じです。もちろん、毎日同じアイテムというわけではありませんし、途中で生産者側の在庫が切れることもあります。そして、あるタイミングでそのヴィンテージが次の年に変わります。この切り替え時の違和感、当時はあれっと思ってましたが、今思えばヴィンテージの違いを明確に感じていたわけです。

このような経験を約20年ほど続けてきたわけで、この蓄積が現在の私のヴィンテージに対するイメージになっております。こればかりは一朝一夕にどうなるものではありません。

また、私はフランス限定ですが、1960年くらいから現在までのヴィンテージのイメージをけっこうはっきりと持っています。例えば1969年の誰々さんのエシェゾーがおおよそこのような感じであろうとイメージできるということです。

これは貯金もせずにワインと食べることに全てを費やした結果です。笑→最初は勉強だと思っておりましたが、いつしか趣味になってしまいました。また、フランスに住むことができた為、日本では飲めないような古いワインをかなり経験することが出来ました。オークションなども含めて、ヴィンテージワインを手に入れる手段がいくらでもあるからです。
→フランスではレストランが閉店・倒産すると在庫のワインも処分しなくてはなりません。お店によっては数十年間眠り続けたワインもあることでしょう。また、自宅の地下にワインセラーを持っているようなお金持ちの方の遺産相続等でワインが放出されることもあります。このようなワインがオークション等に流れ着くんです。私が住んでいたパリでは大小合わせて月に二、三回ワインのみのオークションが行われており、ちょくちょく顔を出していました。

2016年のシニア呼称(現エクセレンス)で下記の問題が出題されました。

【シニア過去問】
フランス、ブルゴーニュで Lady Bird/Lady Bug(英語), Coccinelle(仏語)が ワインの品質に大きく影響を与えた年を1つ選び解答欄にマークしてください。また、その影響を受けたワインの特徴を解答用紙に簡潔に記入してください。

【解説】
2006年のある日、2004年ヴィンテージのワインにある共通のニュアンス、なんとも言えない”苦味”を感じることに気がつきました。この頃、毎日2004年のワインを多数テイスティングしたことで違和感を感じたわけです。その後、ブルゴーニュに行った時にある生産者に「2004年のワインはなぜ独特の苦味があるのか」と質問したところ、「あまり大きな声で言ってほしくないんだけど、Coccinelle(てんとう虫)が大発生したんだよ。私たちは醸造前に選果台で虫等はすべて取り除くけど(しない生産者も多いです。単純に人件費がかかりますから)、それでも、てんとう虫が這うと苦味が残るんだ」と説明されました。その後、いろいろな場面でしばしば”Coccinelle”という言葉を耳にするようになります。
そして今でも、2004年のブルゴーニュ(特に赤)にはこのてんとう虫の苦味を明確に感じます。

ブルゴーニュに強い方には非常に有名な話です。

このあたりのことも体に染みついております。

このようにほどほどにフランスワインのヴィンテージに自信を持っておりますが、それでも、2011年に受験したシニア試験の時に私はヴィンテージを二つも落としました。落としたうちの一つはかなり自信をもって答えたのにもかかわらずです。←この話はいつかお伝えします。また、ワイン会などに参加して感じることですが、この世界で有名な方やコンクール常連のソムリエであっても特にここ数年の若いワインのヴィンテージをピッタリ当てることは容易ではありません。

ですから、二次試験対策としてヴィンテージを当てようと努力することはやめましょう。ただ、余裕がある方は、できたてホヤホヤの新しいワイン(造られて2年以内)なのか、少し落ち着き始めたワイン(4、5年経ったクラス)なのかを判断できるように意識してみましょう。→これも難しいので、あきらめてもいいですよ。

話は変わりますが、ワインリストを置かないワインバー等において一本ワインを選ぶ時に、『どのようなワインがお好みですか?』と聞かれることがあります。私はこの質問にうまく答える術を知らず、というか私がどのように答えると飲みたいワインが出てくるのだろういつも考えてしまいます。そして、多くの場合は泡か白か赤を指定して、数本オススメを並べていただき、あとは自分で選びます。

そして、もう少し突っ込んでも良さそうなお店では、しばしばヴィンテージを指定してみます。例えば、少し前までは2011年ヴィンテージが好みでしたので、『2011年のワインはありますか?』と伺うこともありました。また、もう少し古いものが出てきそうな雰囲気であれば2007年ですかね。さらに、その昔は、2001年一辺倒で、どこに行っても2001年ありますか?と聞いたものでした。→2001年ってもう20年以上前なんですね。ビックリ。

私がなぜ2011年、2007年と言ったかを理解してくれるソムリエさんは素敵です。ただ、たまたまその年のワインが在庫にあるからという理由で見せてもらってもかまいません。→最終的にワインは自分で選びますから。また、この他に何かありませんか?言ってしまうこともあります。

一方で例えば「2008年ならございますが」と言われると、私は「いえ、2008年はイマイチ好みではありません」と答えるかもしれません。私は2008年の特にブルゴーニュの赤ワインが好きではない明確な理由を持っているからです。もちろん、すべてのワインに当てはまるとは思っておりませんし、シャンパーニュであれば2008年はいいなと思うこともあります。
私はこのように特定のヴィンテージを指定することで、そのお店のソムリエさんと好みを伝えているつもりです。

私にとってヴィンテージはそれくらい大切なものです。

~~~~~~~~~~~~~~

どうでしたか?これぐらい経験している方でも当てるのは難しいと言っているのがヴィンテージです。
松岡さんにはかないませんが、私もほとんど貯金もせずに(笑)ワインに結構な投資をしましたが、残念ながらヴィンテージに対する自信は全く芽生えておりません…。

ヴィンテージ、現時点では正解できる気がしなくなったのではないでしょうか?(笑)
でもそれでいいんです。

かといって、何もしないということではありません。この当てることが難しいヴィンテージにどう挑むか、本日はそのお話です。
メルマガ復習ももう終盤になってきました。

明日ではなく、今日少しだけでも頑張りましょう。疲れているのは皆同じです!

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ワインのヴィンテージについて

 

二次試験対策としてのヴィンテージ、繰り返しますが、あきらめた方が無難です。偶然当たればラッキーくらいの気持ちで行きましょう。でも、ちょっとだけやります。ワインの熟成とはどんな変化を言うのか、少し頭に入れておいて下さい。

目次

 

熟成が外観に与える影響

ワインは月日が経つにつれて赤味を帯びていくのと並行して、輝き光沢のある色合いから落ち着いた色調に変っていきます。

白ワインはキラキラと輝きのあるやや緑色を帯びた色調から、数年で緑のニュアンスが消え、落ち着いた黄色または黄金色に向かって行きます。さらに熟成が進むと褐色に近くなっていくのですが、二次試験には予算的な関係もあり出題されませんから今のところ無視してかまいません。

反対に、ここ数年のワインが黄色を越えて褐色のニュアンスを帯びている場合は、酸化などの劣化を疑うべきです。
→もちろん劣化したワインなど試験に出るわけがありません。全国で開催される試験に同じように劣化したワインが準備できるとは考えられません。 ただ、本来であればヴィンテージやブドウ品種を当てるより、劣化を正しく認識し、適切に処理できることのほうがワインを扱う上では100倍大切です。ただ、まだ出題されないと思いますが、オレンジワインが出題されたら…。

赤ワインは特にグラスを傾けた時の外側の部分を見なさいと言われます。造られて2、3年くらいまでは紫または、そのワインの中央部と同じ色であることが多く、それ以上経ったものはその外側から徐々に赤味を帯び、光沢を失い始めます。

このようにして外観から”大まか”にワインが造られてからどのくらいたったかがわかります。

なんて簡単に言ってますが、どのくらい赤味を帯びると何年経ってます、なんてマニュアル的に答えられません。ブドウ品種によっても、生産国・地域、輸送・保管状況によっても全く異なります。はっきり言って試験に出題される任意のワインからその一年二年の微妙な違いを見分けることはほとんど不可能だと考えてよいと思います。

ですから、なんとかものすごくフレッシュなワインなのか数年たったワインのかを見分けられるようになることを目指すくらいで十分です。

熟成が香りや味わいに与える影響

さまざまな国・環境で産まれ育つ人間はそれぞれの幼少期、思い悩む思春期を経て成人し、働き盛りの時期をピークとしてその後、老年期に入りやがて寿命を迎えます。

ワインも同様に熟成と共に若々しい印象からすんなりと穏やかに味わい深く、美味しくなっていくわけではありません。ワインそれぞれに人生のような波があるのです。

若々しく溌剌としていたワインが、人間でいうところの思春期のように、香りも味わいも固く引き締まり全く愛想を見せない時期を迎えることがよくあります。

そしてその後、こちらを向いて愛想を振りまいてくれるようになるワインもあれば、そのまま長年引きこもるタイプもあります。また、若いうちから美味しさ全開のワインもあれば、ほんの一瞬しかピークを示さないワインもあります。

人間との違いは、人間の寿命はおおよそ90年(今は100年でしょうか)程度と決まっていますがワインの寿命は数年と短いものから、百年近く経ってもまだまだ元気というものまでかなり幅広く存在することです。ですから、一概にシャルドネは5年経ったものが飲み頃だなんてことは言えません。

さて、試験対策としてヴィンテージをどうとらえるかについては悩むところです。確かに、ワインの香りや味わいも、時間とともに溌剌とした・フレッシュな・パワフルな印象から徐々に丸く・華やかに・穏やかに・落ち着いていくものです。ただ、その数年の差を感じられるようになるにはかなりの経験が必要で、また、ワインによっても熟成のスピードが違い一筋縄ではいきません。 →そして、どれだけ研鑽を積んでも、最優秀ソムリエですら100%わかるということは絶対にありません。

そこで、試験対策として次のご提案です。

偶然当たればいいなと考える。

とはいえ、闇雲に当てずっぽうでというわけではありません。二次のテイスティングに出題されたワインのデータを元に確率的になんとかならないかをちょっと考えてみます。

過去のデータ
1年前 14回
2年前 48回
3年前 52回
4年前 36回
5年前 10回
6年前 7回
7年前 1回
8年前 1回

ここ10年のデータ(2013年から2022年)
白ワイン

1年前 7回
2年前 17回
3年前 12回
4年前 5回

赤ワイン
1年前 2回
2年前 10回
3年前 12回
4年前 10回
5年前 4回

となっていますから、今年の試験には白ワインは2021年、2020年が、赤ワインは2021年~2019年が出題されるであろうと想定します。

さらに、ここ2年以内に造られたワインか、3〜4年からそれ以上経ったワインかというこの二つの違いをなんとか感じられるようになればいいのですが、それ以上に今は各ブドウ品種と特徴をとらえることが先です。例えばガッチリ樽熟成されたシャルドネやカベルネが一年後に認定試験に使用される可能性が少ないなど、ちょっとしたことがないわけではありませんが、とにかくヴィンテージに関しては「ものすごく若い」か「もしかしてちょっと落ち着いている?」くらいのところをなんとなく感じる程度で大丈夫です。そして、”そんなこと言われても全然わからないよ”という方、ひとまず、ヴィンテージはスッパリ諦めましょう。

そして、合格するために「上記の可能性の高いヴィンテージを決め打ちで選択してしまう」というのも立派な作戦です。試験当日に他の箇所に集中できますから。

何かございましたらこちらまで
info★majime2.com 牧野 重希





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