第116回 一次試験お疲れ様でした。〜テイスティングに関する質問にお答えしました。1

   

一次試験期間が終わりました。今年もいろいろ言われた一次試験ですが、昨年より方向性が見えてきたように感じます。

一ヶ月以上前の期間開始早々に「合格」の文字を見られた方、ちょっと間に合わなかったなぁとお思いの方、最後にギリギリ飛び込んで一次を突破された方、さまざまのようです。

それでも、ひとまず最初の戦いが終わりました。そして、なによりも、ここまでたどり着いたのです。本当によく頑張ったと思います。これまでのご自身の努力を褒めてあげましょう。この半年から一年間、本気で頑張ることができたと思える方は、結果以上に素晴らしい経験だったと思います。もちろん、その努力が実を結ぶ事が一番なのですが。

改めまして、一次試験を突破された方、おめでとうございます。まだ山の頂は見えて来ませんが、手の届くところまでやってきました。

残念ながら一歩届かなかった方、まずはお疲れ様でした。少し、ゆっくりしましょう。

これまでの頑張りが無駄になることはありません。今年一次試験を突破できなかったことで、来年ものすごくレベルアップできるチャンスを得たと考えるべきです。それは、もう一年本気で勉強する人と一次試験を突破してもう勉強しなくなる人とでは、来年合格するあなたの方がより高みに登る可能性が大いにあるからです。ソムリエ試験合格を目指しているこの講座ですが、ワイン道においては合格がゴールではありません。

少し休んで、気持ちを切り替えて来年に向けて始めましょう。今年の悔しさが来年の今頃には”もう一年勉強して本当によかった”と思えるように。

皆さん、ひとまずお疲れ様でした。

※今回の写真、こちらがスイカズラです。

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大阪の方向けですが、二次試験リキュール対策フリーテイスティングのお知らせです。

数年前、お世話になっている近所のバーでソムリエ試験対策の話をしている時に「うちでよければリキュール類のフリーテイスティングをやりますよ」とイケメンオーナーが言ってくれました。(ちなみにシニアソムリエでもあります)

そして、「今年もやります」と。

諸事情により中止になりました。申し訳ございません。

◆二次試験リキュール対策フリーテイスティング

開催日:923日(月)、9月29日(日)
開催時間:14001700(自由来店)
場所 東心斎橋:フレンチバー「シャ・ノワール」
会費:6,000円(税込み)現金でお願いします。
電話:06-6226-7622(予約された方がよいと思います)
アイテム数:40種以上

こちらはやってくれるそうです。

場所 東心斎橋:フレンチバー「シャ・ノワール」
http://www.le-chatnoir.jp/

『通常営業時に「リキュールテイスティング3種」(1,200円)とお伝えいただくと、ブラインドでも、飲んだことないものでも、色で間違えやすい3種でも希望に応えます』とのことです。

15時~18時(一度閉店)の間はノーチャージです。

長くなりますが、

二次試験対策講座のご案内

◆なんとか合格するための直前テイスティングセミナーのご案内
東京・大阪・名古屋・仙台 9月開催
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第116回 テイスティングに関する質問にお答えしました 1

さて、これまでににいただいたテイスティングに関する【質問】とその【返答】集、その1です。

【質問】
シャルドネについて。樽のニュアンスが強く出ていればわかりやすいのですが、まだ経験が浅い為、アメリカなどのヴァニラ香があるもの以外の樽香に気づかないことがあります。最終的にこれはシャルドネだ!という決め手はないのでしょうか? 
【質問】

ブルゴーニュのシャルドネの特徴をつかむコツのようなものがありましたら教えて頂きたいです。また、樽の特徴もよく理解できません。

【返答】

何度も言いますが、シャルドネに限らず、絶対的な決め手というものは存在しません。ただ、傾向、そのブドウ品種らしさというものはあります。

シャルドネはこれといった特徴のないブドウ品種です。生産地、生産者等の影響を強く受けるため特に難しいかもしれません。ただ、強弱は別にして樽を効かせたワインに仕立てることが多く、反対に樽を効かせる白ブドウ品種は他に出題されないと考えてもよいので”樽を感じたらシャルドネ”です。

しかし、生産者によっては樽は使うもののアクセント程度という方もいらっしゃいますから、樽のニュアンスがわかりづらいとシャルドネであることがわからないという気持ちもわかります。
ブルゴーニュのシャルドネといっても、シャブリからコート・ドール、マコンまであり、南に進むにつれて酸が穏やかになり、ふくよかさが増します。

そこに系統を見出すのはいささか困難ではありますが、一般的にブルゴーニュのシャルドネがコート・ドールのシャルドネを指すものとして話を進めます。→ソムリエ試験的に樽を使わないシャブリは捨てます。合格するために。

好みの問題でもありますから何をもって良いというのかという話ですが、それでもコート・ドールのシャルドネは酸、ミネラル、樽、果実味のバランスに優れています。何かが突出しているということが比較的少ない=バランスがよいという図式です。さらにマロラクティック醗酵させている確率が高く、酸が穏やかで、丸みを感じることも多いはずです。→どの程度をもって酸が穏やかか、丸いのかはこれもなかなか難しい…。

一方、新世界のシャルドネは樽のニュアンスと果実味が主体であることが多いと言えます。←単純に酸が少ない、または感じにくい。

また、樽のニュアンスについてですが、フランス産(フレンチオーク)は焼きたてパンのような、バターのような、トーストのような、ビスケットのような、アーモンドのような感じに独特の質感があります。

新世界産(アメリカンオーク)はヴァニラのような、カカオのような、ココナッツミルクのような、こちらは完全に香ばしいアーモンドからヘーゼルナッツ…。質感もよりトロっとしたイメージが加わります。

樽の内側は、生産者によって程度が違いますが焼いて焦がした状態になっており、実はあまり焼かない樽を使った方がまた、新しい樽を多く使ったワイン(新樽率といわれるものです)ほど樽のニュアンスが強くなります。

樽のニュアンスとミネラル。

一度わかってしまえばなんてことはないのですが。特に樽のニュアンスに関しては二次試験までになんとか理解できるようになることを願っています。

そして、最後に昔から言われているソムリエ試験の格言の一つですが、「白ワインで迷ったら、わからなかったらシャルドネ」というものがあります。でも、樽のニュアンスさえ掴んでしまえば(樽=シャルドネのみを考えればいいので)、難しいのはリースリングです。私は「樽がないと判断して、わからなかったらリースリング」と答えるべきだと考えております。過去の出題率からもリースリングが出題されない年の方が少ないのですから。

【質問】
リースリングは”ぺトロール香”、ソーヴィニヨン・ブランは”緑っぽい香り”が特徴として挙げられますが、マニュアルの香りの<特徴>にはそれぞれ該当するであろう文言は記載されておりません。個人的には”揮発臭”や”ハーブ香”などが該当するのではと思うのですが。
【返答】

おっしゃることはわかります。ただ、”ぺトロール香”や”揮発臭”などのコメントが協会発表の模範解答として過去に選ばれてこなかった歴史もあり、ソムリエ試験的に受け入れるしかありません。←「ペトロール」は2014年度のシニア試験で初めて登場!模範コメントに選ばれました。そして数年で、また消えてしまいましたけどね。また、「揮発臭」はリースリングの特徴ではなく、やや劣化寄りのコメントです。

どこかでお伝えしましたが、これまで長い間二次試験において”グレープフルーツ”というコメントが模範解答とならないという話は有名でした。白ワインのコメントとして比較的一般的であると思われるのにです。←2011年以前の話です。現在はグレープフルーツを経て柑橘類に統合されました。

今、私達が立ち向かっているのは認定試験であり、このような偏りや独特の言葉選びが必要であると考えるしかありません。言い換えれば、各ブドウ品種ごとのコメントに癖があり、また、ある程度似通っている為、うまく利用すれば(ワインがそれほどわからなくても)得点につながるというわけです。
【質問】
あるワインの過去の模範解答を見ると外観の印象で「若い」と「よく熟した」「成熟度が高い」が同時に選ばれていました。必勝マニュアルを拝見しても、多くの品種でこれらの言葉が並んでいます。

単純に言葉の持つ意味として考えますと、「若い」と「成熟」は対極にある言葉かと思います。この二つの印象を同時に満たすワインというものがどんなものか全くイメージできないのですが、どのようなワインにこれらのコメントが選ばれるのでしょうか。

【返答】
一つは解答に幅を持たせているということです。「若い」と「成熟」が 相反する言葉であるとしても、二つの境界線がどこかにあるわけで、その微妙なラインの時は模範解答を二つにして、おそらくどちらを選んでも正解にしているのだと思います。

ワインのテイスティングはある意味官能テストであり、万人が同じものを同じように感じることはありえないわけです。ですからある程度個人差を許容範囲として、テイスティングコメントにも幅を持たせてあると考えてよいと思います。

また、必勝マニュアルにおいて説明しましたが、協会発表の模範テイスティングコメントの作成方法を知るとこのコメントの幅も理解できるはずです。

この場合の”成熟度が高い”はブドウの成熟度を指していると考えられます。成熟度が高いブドウから造られたワインの若い状態(外観)という意味です。

とはいえ、”成熟度が高い”と”よく熟した”の言葉の違いを理解できたとしても、外観からこの二つのコメントの違いをソムリエ協会の意図通りに感じ取れる方がどれだけいるのだろうと思ってしまうくらい難しいと思います。ですから、単純に色調が淡く、粘性が軽い時は「軽い」「軽快な」、色調・粘性が強くなるにつれて「成熟度が高い」→「よく熟した」を選択するくらいのイメージで十分だと思います。

さらに、微妙なニュアンスの時は思い切ってご自身が感じたこと頭において、あとは過去の模範解答または暗記したマニュアルのコメントから選ぶ、 そんな感じでよいというか、そのようにしか対応できない時もあるのでは思っています。

いただいた質問はなかなか難しい問題で、頭を悩ませる一つなのですが、私はマニュアル作りに際してこのような協会の癖も加味した上で、できるかぎり確率的に正解になりやすいであろうコメントを選んだつもりです。

【質問】

甲州の香りの特徴の模範コメントに「パンドミー」がありますが、これはシュル・リーに伴うイースト香のようなものとして解釈してよいでしょうか?

【返答】
甲州種におけるシュル・リーはよく見られるもので、おっしゃる通りです。

一般的に酵母由来の香り、イースト香はパンやブリオッシュ、強いものではバタートーストなどと形容されます。このイースト香がシュル・リー製法によってより顕著に表れることがあります。

シャンパーニュにおいてシュル・リーの効果が実用化されてきました。醗酵させたのち、ボトルの中で酵母(の死骸)とワインを一緒にしたまま数年置いておき、旨み成分を取り込みむというものです。酵母(の死骸)が酵素によるオートリーゼ(自己消化)によってアミノ酸を放出するといわれ、その旨みが特に熟成シャンパーニュの独特の香りと旨みにつながっています。

ただ、ミュスカデや甲州は、もともと果実味が少ないワインに仕上がる上に、シュル・リーによって酵母を残したまま完全発酵させますので、ほとんど残糖感がなくなります。また、醗酵によって生成された微炭酸がワインをフレッシュな辛口に仕上げ、旨みを少なく感じさせます。さらに、シュル・リーはワインを動かさないため空気に触れる機会が少なく、酸化せずフレッシュさが維持されます。雑菌等の関係においても還元状態状態を維持しなければならないので、ワインがますます硬く引き締まり、ふくよかな果実味や甘味を感じさせないワインになる可能性が高いのです。

ですから、ミュスカデや甲州のシュル・リーに関してはすっきりした味わいのワインが多く見られるというわけです。←還元状態の特徴の一つです。

話が逸れましたが、この「パンドミー」というコメントはシュル・リーを意識したものだろうと考えます。反対に言えば、全ての甲州においてこのコメントが模範解答になることはないとも言えるでしょう。シュル・リーしない生産者もいらっしゃいますから。→パンドミーとは日本でいう”食パン”のことです。
【質問】
白ワインにおける花系のコメントの選び方がよくわかりません。選択肢にある花の色と大きさを覚えてワインの香りのボリュームに当てはめる、という解釈でいいのでしょうか?
【質問】

菩提樹、キンモクセイ、アカシアなど、の香りがわからない自分の感じた香りをコメントとして例えられないんです。今は模範コメントの暗記に励んでいます正直不安です。

【返答】

不安な気持ちはわかりますが、今からそれぞれの花の香りを確認して、それらをワインから感じ取る為のテイスティングをしている時間はありません。ここは、このタイプのワインで、この強さであればこの花の香りということで割り切って暗記したコメントを当てはめる作戦で乗り切りましょう。この花の香りも平たく言えばベリー系と同じく香りの強弱を表しております。必勝マニュアルではそのあたりも簡単に説明しております。

ただ、知らないながらもイメージすることはできます。

こちらに一部写真を載せておきます。花の色、大きさ、花びらの厚さ…。あとは勝手なイメージでもいいじゃないですか。今は簡単に画像検索できる時代ですし。

菩提樹 tilleul.jpg

キンモクセイ

kinmokusei.jpg

アカシア

Acacia_covenyi02.jpg

基本、コメントとして丸暗記をお勧めします。今からスイカズラとアカシアの違いを知って、感じ取る訓練をする時間はありません。→ちなみにフランス人はスイカズラの香りが大好きで、この香りのシャンプーなど様々な製品が売られています。

【質問】

イタリアブドウ二種で迷った時は『全てが強ければネッビオーロ、穏やか、優しくそれなりにバランスがとれていればサンジョヴェーゼを選択しましょう』とありますが、もう少し説明していただけませんか?

【返答】

私はネッビオーロからある意味ピノ・ノワールやシラーに通じる雰囲気を感じることがあり、その中でも酸もタンニンもしっかりとした鋭角なタイプのイメージです。ブドウ品種の本質としても圧倒的に酸も渋味も強く、言ってしまえば”強烈”な印象を与えます。果実味はフレッシュではなくドライフルーツに近いニュアンスで、さらにタールやタバコなど(ソムリエ試験的に)他のブドウ品種にみられない香りまで感じることがあります。

また、涼しい産地のワインはより鋭角に感じられるもので、このネッビオーロもしかりです。→少なくともトスカーナよりは冷涼です。加えて強靭なタンニンにより口の中に強烈な苦味・渋味が残ります。とにかく鋭角でいろんな要素が強く主張するんです。ピノ・ノワールに似ているという書き方が誤解を招くのかもしれませんが、いうなれば強烈なピノ、渋味が強すぎるシラー、ピノとシラーを足して熟成させ、2倍、3倍くらい渋くした感じといっても過言ではないように思います。ですから、【全てが強ければネッビオーロ】という表現になりました。

一方、サンジョヴェーゼはどちらかといえばいろんな要素を感じるものの、比較的穏やかでそれなりにバランスが取れているカベルネ・ソーヴィニヨン(ボルドー左岸)タイプに近いように思います。酸味はまずまずしっかりしているものの(ただ、ネッビオーロとはタイプが違う)渋味はそれほどでもありません。ふくよかでありながらほどほどに丸く、やや温暖な印象、そして少し酸っぱい。香りも特有の薬っぽさを感じることが多いように思います。私はなんとなく暖く柔らかいカベルネ・ソーヴィニヨンに近いと思っていますので、【穏やか、やさしくバランスが取れている】としました。

また、埃っぽさ、土っぽさ、薬っぽさをサンジョヴェーゼの方からより感じるのは、トスカーナの温暖な気候とネッビオーロほどブドウとしての強さがないからだと思います。さらに、サンジョヴェーゼに感じることのある、オレンジや紅茶なども穏やかなイメージです。→オレンジとレモンを比べるとオレンジの方が穏やかでしょう?だからと言ってネッビオーロにレモンはありませんが。

さて、一次試験で燃え尽きていませんか?これからが本番です。今一度気を引き締めて頑張りましょう。

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩
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