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私のシニア試験のテイスティング時の苦悩

2020/09/07
 
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第119回

前回の続きで、意気揚々と東京に出ていくのですが…。

ある方の紹介で新規オープンするフランス料理店に入ることになりました。のちにミシュラン二つ星を獲得する『タテル・ヨシノ・芝』でした。→現在はホテルの改装とともに閉店。

みなぎる自信と共に期待に胸を膨らませて上京し、運よくメートル・ド・テル(給仕長)、黒服四人のうちの一人として採用されました。私の下には(黒服を着ることができない)10人ほどサービススタッフがいる環境でお店が新規オープンしたのです。そして働き始めて数日後、私はフランス料理について、ワインについて何も知らないことを思い知らされます。

当時の私はカジュアルレストラン程度の経験はありましたが、いわゆるグランメゾン(高級フランス料理店)のサービススタイルを全く経験したことがなく、コミ、シェフ・ド・ラン、メートル・ド・テル、ソムリエ、シェフソムリエという職位が確立された中で仕事をすることも初めてでした。→今思えば、地方でソムリエ試験に受かったくらいのレベルですから通用しなくて当たり前です。笑

特に仕事中に飛び交うフランス語に戸惑い、最初は何を指示されているのかすら全くわからない状態で、このような世界があることに驚愕しました。←今思えばフランス語の”会話”ではなく、”単語”でしたけどね。

上司には毎日「お前はここに何をしに来ているのだ」「できないなら帰れ」などと言われ続け、暴力こそありませんでしたが、常に睨まれ恫喝される日々でした。また、職位的に下に10人ほどスタッフがいるわけですが、中には10年近くグランメゾンを経験している者もいました。その下の者から見た私はデキない黒服(メートル・ド・テル)であったことでしょう。誰もが上を目指して労働時間の長い仕事に従事し研鑽を積んでいるわけです。彼らにとって憧れの黒服を着ている私が全く何も知らないという状況を素直に受け入れるはずはありません。

最初は本当に話している内容から指示される言葉まで全くわかりませんでした。フランス料理について何も知らなかったのです。とにかく毎日聞こえてくる言葉をひとまずカタカナで書き留めて、恥を忍んで確認できることはその場で確認し、誰にも聞けないことは家に帰ってインターネットで調べる日々でした。
→フランス語はゼロだったので、まず数字がわかりませんでした。ナイフがクトー、フォークがフルシェット、スプーンがキュイエール…知りませんでした…。

また、基本的な食材や一般的な料理の名前がわからない。アニョーにドラード、バー、グージェール、ブーダン、オペラにスフレ。私はソムリエ試験で捨てたため、チーズも一切知りませんでした。そのお店ではチーズのワゴンサービスがありました…。
食材を知らないのですから当然、雷鳥が苦いことも、リエーブルが赤い肉であり強烈な匂いがあることも、というよりラパン(うさぎ)とリエーブル(野うさぎ)の違いも全く知りませんでした。ジビエに関してはジビエという言葉すら危うかったです。当時はまだ、ジビエという名称が一般的ではなかったですから。

ある時お客様に『この紅茶はセカンド・フラッシュですか?』と聞かれてなんのことだか全くわからず…。また、あるお客様からの予約の電話で『ロニョンある?』と聞かれましたが???でした。←まず、「ロ…ン」って知らなければ聞き取れないです。そして、このあと怒られました…。

ミンククジラも知りませんでした(これはお客様として来店された辰巳拓郎さんに教わりました)。まだまだあります。パートブリックもフュイタージュもルバーブもクレピネットもプーレ・ド・ブレスもスービットもクールブイヨンも知りませんでした。もっともっとありますが、やめときます。

サービス技能としては当然デクパージュなんて経験は一切なく、そもそもデクパージュという言葉すら知りませんでしたから。

上からは常に叱られ続け恫喝され、下の者からは見下され突き上げられ、本当に逃げ場は全くありませんでした。四面楚歌、一秒たりとも気の休まる瞬間はなく、この職場にいて楽しいと思ったことはただの一度もありませんでした。

本当に辛かった…。

社会に出て仕事を始めてからこれほどまでに精神的に追い詰められた時代はありません。休日までの日々を指折り数え、休みの日の夜には明日からの仕事を思い憂鬱になるという思い出したくも無い生活をしばらく続けました。

ただ、この時に一つだけ誓ったことがあります。それは
自分からは絶対に辞めない、絶対に逃げない。 

ということでした。そこまでこの業界に固執したかったわけではありませんが、もともと引きこもりであった私がなんとか人並みに社会人として生活できるようになったのです。ここで逃げたらその後の私の人生は完全にダメになってしまうとここだけは自分に強く言い聞かせました。

ですから、ここをなんとか乗り越えるために休みの日は朝から図書館に通い、フランス料理関係の書籍を読み漁りました。この時代、人生で一番勉強したと断言できます。また、休日の夜の食事は(たまにランチに)必ずフランス料理店に足を運びました。休みごとに毎回、ほぼ一度も欠かさずにです。ですから二十年前くらいに都内にあった有名どころのフランス料理店にはほぼ行ったことがあります←トゥール・ダルジャン東京くらいですかね、行ってないのは。パリ本店には行ってますが。

とにかく自分自身がサービスを受けて実際に食べてみないとわからない、経験しないといけないと強く思ったのです。

もともと食べること、飲むことが大好きであったことが幸いしました。また、この毎週のフレンチ通いが唯一の息抜きでもありました。

今思えばここから始まりました。私の本当のサービスマン人生。

その後パリに渡っても月に二度はレストランやビストロに通ったものです。この時はもう勉強ではなく、楽しむためにでしたが。

それから十数年の月日が流れまして、さらに本当にいろいろありまして、2013年の秋から和歌山にありますフランス料理店「オテル・ド・ヨシノ」で働くことになりました。

和歌山で働き始めて数か月後に、お店の8周年記念フェアが行われることになっていました。そして、このイベントに上記の本当に思い出したくもない時代の元上司がヘルプに来てくださることになり、久しぶりに一緒に仕事をすることになったんです。

一瞬、あの辛い時代の記憶が鮮明に脳裏に蘇りました…。

続きます…。

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私のシニア試験のテイスティング時の苦悩

 

自分の恥をさらすようですが、私が2011年に受験したシニア試験のテイスティング時の苦悩をお伝えしたいと思います。シニア試験終了直後にワインマニアな友人宛に受験手記を送ったのですが、そちらを加筆・修正したものです。
→受験当時の私の感覚なので、二次テイスティング的な考え方ではないかもしれません。この当時はまさか、このようにソムリエ試験対策を始めるとは夢にも思っていませんでした。ただ、この時にシニア試験を受けたので、この”こーざ”が生まれました。始めた当時のキャッチは「シニア試験対策で勉強したことを忘れないために、こちらに書き記します」というものでした。

2011年のシニアソムリエ試験は、最初に筆記試験60問が行われ、その後引き続きテイスティング試験に移るという流れでした。→今より全然簡単な時代で、一般呼称とほとんど変わらない試験でした。

ちなみに私は、合格しないわけがないと思っており自信満々でしたが、筆記試験対策と過去のテイスティングコメントに関しては数ヶ月間かなり本気で研究しました。→この時の研究の成果がこの”ちょっとまじめにこーざ”であり、ご案内した”必勝マニュアル”です。さらに言えば、試験当日でおおよそ入院9ヶ月目、この間一滴のワインも飲んでいない状況で当日を迎えました。久しぶりに飲んだワインは、それはとても美味しかったです。笑

さて、テイスティングアイテムです。ワイン三種類、その他お酒二種類の合計五種類でした。

正解から書きます。こちらは終了後、会場出口で発表されていました。

〈A〉オーストラリア・マーガレット・リヴァー・シャルドネ 2008
〈B〉フランス・シノン・カベルネ・フラン 2008
〈C〉スペイン・リオハ・テンプラニーリョ 2005
〈D〉シャルトリューズ・ヴェール
〈E〉スコッチウィスキー

※〈A〉~〈C〉の外観・香り・味わいなどのテイスティングコメントは一般呼称と同様にマークシート式、生産国・生産地域・ブドウ品種・ヴィンテージは記述式でした。〈D〉と〈E〉はそのアルコールの名称のみを問う問題でどちらも選択式。

→一般呼称の二次のテイスティングでは生産地域(AOCなど)は問われません。ただ、今年も同じとは言いきれませんが。でも、私は問われないと思います。
まずは最初に白ワインから

〈A〉オーストラリア・マーガレット・リヴァー・シャルドネ 2008

白ワインは一種類でしたので、こちらだけを見つめました。外観はまずまず淡い色調、若々しいのですが、輝き具合、緑色の少ない感じから出来立てホヤホヤという訳でもない感じです。適度に粘性もあり、一年は樽に入れて熟成させるレベルのワインであろうというイメージでした。
時期的に(この試験は2011年4月)輸入され市場に流れ試験のアイテムとして選ばれること考えると2009年ものでは早すぎてタイミングが合わない感じがして2008年だろうと予想しました。

香りは熟した黄色く甘い果物香ばしいナッツ系の香り、そして軽くミネラルを感じます。そして、なんといってもこの樽のニュアンス!香りはかなり強めでした。この段階でフランス以外のシャルドネであることがわかりました。フランスにはない強さ・濃さにびっくりしたくらいです。シャルドネはブドウ品種としてはそれほど特徴がないと言われますが、シャルドネに慣れている人には”らしさ”を感じることが多いものです。

味わいも酸味以上にアルコールが主張し、余韻に心地よい苦味を伴います。ただ、その酸とミネラルの雰囲気からものすごく暖かい地域というわけではないイメージで、新世界の中でもやや涼しいところ、やや高いところで造られたのかなと想像しました。

以上より、私はカリフォルニアでも比較的涼しいソノマのシャルドネをイメージしました。←と言ってますが、この入院直前までフランスに住んでいたこともあり、新世界のワインを飲む機会はほぼありませんでした。ちなみに、当時のフランスではイタリアワインですら探さないと買えないような状況で、新世界のワインを手に入れることはかなり困難でした。というか、新世界のワインを飲む必要がないんですけどね。

私の解答:シャルドネ/アメリカソノマ/2008年←シャルドネと2008年のみが正解。



〈B〉 フランス・シノン・カベルネフラン 2008

とにかく色がかなり濃かったんです。この色に騙されました。その隣の〈C〉も濃いのですが、さらにこちらはまだ紫の色調を残しており、この段階でピノとガメイ、ネッビオーロはないなと思いました。これらにはありえない濃さ、紫色だったからです。→粘性の記述がないので、覚えておりませんが、しっかり見なかった、あまり意識しなかったんでしょう。正直、この当時、フランスワインしか飲まなかったので、粘性をそれほど意識しなかったようにも思います。

次に香りからすぐにフランスだとわかりました。いわゆる直線的なカベルネの感じです。黒い果実味が主体、ピーマンやベジタルのニュアンスが強く、土っぽい。加えて、奥のほうにミネラル、さらにハーブっぽい余韻が感じられました。

ただ、全体的にまとまりがなく、やや荒い印象でした。思い込んではいけないことなのですが、私はこの香りの段階でボルドー左岸を強く思い浮かべてしまいました。試験でフランス・カベルネならボルドーだろうと安易に考えたのです。

味わいも黒い果実味が主体で渋味はまさにカベルネです。ただ、ボディが細めであり、やや強めの酸を感じたことは気になりました。

でも、まさかカベルネ・フランが出題されるなんて思いませんでした。←まったく、シニアをナメてました。これが、試験ではなく普通のブラインドテイスティングでしたら、いくらここまで濃い色調とはいえ、この酸とボディの細さについて思いを巡らせたかもしれません。まだまだ未熟であることを思い知らされました。

<試験にはぜんぜん関係ありませんが>

この先入観でブラインドテイスティングに失敗することが度々あります。例えば、微妙にチラッと見えたキャップシールの色が頭から離れず、そこからあらぬ妄想を始めたこと数知れず(仲間内ルールではキャップシールも完全に外します)。また、持ち寄りのワイン会等で”〇〇さんが持ってきたワイン”だからと目の前のワインに向き合うことができず…などの失敗を繰り返しております。

情けないです。フランスだけはしっかり答えなくてはならないのに。

試験会場の私は順当にボルドーを想定し、ポイヤックやサンジュリアンのようなより特徴的なボルドー左岸ではないので、(そりゃそうだ。フランだもの。で、予算的にも認定試験向けのやや安価な)マルゴー村のやや外れの無名シャトーものかなと考えました。そして、最後まで頭から離れなかった線の細さ、酸に関してはヴィンテージの影響であろうと結論付けました。ですから、比較的酸を感じやすい、そしてボルドー全体が線の細い年となった2007年と解答したのです。
結果的には反対でした。酸を感じたのはロワールのカベルネ・フランだからで、果実味が主体でボルドーと思えるほどしっかりしていたのは、果実味が小さくまとまって比較的凝縮感の出る2008年のヴィンテージだからでした。

「果実味主体の年のカベルネ・フラン」を「線が細く酸の年のカベルネ・ソーヴィニヨン」と間違えたわけです。

負け惜しみといえばそれまでなのですが、よくできたシノンだと思いました。フランスだけは外すまいと思っていただけにショックも大きかったです。

私の解答:カベルネ・ソーヴィニヨン/フランス/マルゴー2007年←正解はフランスのみでした。トホホ。

さて、順調に白一種、赤一種をテイスティングし終えたと思っていた私は赤ワインの二つ目に取り掛かります。ここまでは全く問題なく(と試験中は…)周りを見渡す余裕さえありました。ただ、その先にぽっかり落とし穴があるなど思いもよらずに…。



〈C〉 スペイン・リオハ・テンプラニーリョ 2005

これは本当に悩みました。

外観は〈B〉と同様に濃く、〈B〉に比べあきらかに熟成感と粘性を感じます。エッジの部分が赤い感じなのです。→今なら当然、熟成系で考えるのですが、この当時は…。

香りはフランスではない雰囲気で、さらにイタリアでもない。樽からくるであろうヴァニラの香りが前面に感じられ、どちらかといえば熟した赤から黒い果実のニュアンスが主体でした。

ただ、外観から感じるほど香りに熟成感がなく、黒い果実を煮詰めてジャムになる直前といった感じ、とにかく甘いのです。さらにハーブっぽいニュアンスが少なく、香りにこれといった特徴がない。ここでカベルネやシラー(シラーズ)、ネッビオーロは外れ、迷いながらも新世界のメルロっぽいなと思い始めました。
味わいも甘く、丸い印象。酸は控えめです。そして、ことのほかスッキリした後味が印象的でした。

やはりメルロっぽい。新世界のワインならこれくらい甘くてもいいのではないか…。ただ、ここでこのスッキリ感(アルコールのボリューム感だと思ってください)にアレっと思い、さらに外観の熟成感と香りの果実味に違和感を感じ始めました。そう思うと、新世界にしてはスッキリし過ぎていると思い始め…もしかして…。
ハマったと思いました。純粋なブラインドテイスティングでこのような状況はよくありますが、まさか認定試験レベルでここまで迷ってしまうとは思いもよりませんでした。←この人、何様でしょう?

本当に焦りました…。いや、ここまで前の二つのテイスティングがある程度得点になっている(と思っていた)はずなので焦る必要はなかったのですが、つまらないプライドが…。

ここで小休止。深呼吸してテイスティングを再開します。
メルロのように特徴的な香りがとらえづらく、全体的に穏やかで甘いといえばテンプラニーリョもありです樽のニュアンスからもやや赤いニュアンスからもテンプラニーリョの可能性が急浮上してきました。

けれど、私にとってテンプラニーリョの香りはもっと土っぽく、複雑さがあるんです。このワインからは凝縮感もあり強いけど、シンプルでより果実のニュアンスが前面にでる新世界の香りに近いものを感じていました。

でも、このスッキリさは新世界ではないのでは…。でも、香りは新世界っぽい…。やや赤味が強い…。さらに、このやや熟成のニュアンス…。
新世界メルロかテンプラニーリョのどちらかだろうと、ここまでは絞りましたが決定打がありません。どちらとも言い切れない感じで時間だけが進んでしまいました。

二次試験的にはここまで絞れば、まずどちらを選んでもテイスティングコメント的には問題なかったと思われます。でも、私はちゃんと取りたかった。

そして、悩みに悩んだ末、テンプラニーリョを選びました。もしかするとメルロと書いたものを書き換えたかもしれません。このあたりはかなり焦っていました。とにかく私はたぶん55%くらいの確率でテンプラニーリョだと考えたのです。

もう時間がありません。ちょっと熟成しているから2006年と解答。テンプラニーリョっていったらリオハしかないでしょうということで、すべてを書き終えたときに時計を見て驚きました。もう時間がない!

私の解答:テンプラニーリョ/スペイン/リオハ/2006年

ただ、試験を終えてから冷静に考えると2005年はヨーロッパ全体がとっても暑かったんです。2005年ヴィンテージはフランス全土でグレートヴィンテージと言われており、時にはローヌのワインを思わせるブルゴーニュ・ピノがあるくらいです。より緯度の低いスペインの2005年となれば新世界的な強さを持ってもおかしくはないなと思いました。
→この記述、今読めばテンプラニーリョっぽいなと思うんです。外観と香りに赤いニュアンスをしっかり感じているんですから。メルロはここまで赤くない。さらに、熟成感って書いてある。ただ、この受験当時、私は新世界のメルロをほとんど飲んだことがなかったんです。今はセミナーとかやってますから結構飲んでますけど(ここ数年試験対策を続けている今となっては、熟成系なのでもっとシンプルにテンプラニーリョだろうなと思います)。また、当時の私にとってメルロ といえばポムロールで、やわらかく独特の粘土っぽいねっとりとした質感をもちます。カベルネとは一線を画すワインになり、どちらかといえばリオハの土っぽさに近いものすら感じることが多いんです。そのメルロが新世界の強さを持てば…と考えたわけです。この受験時の”新世界のワイン”は完全にイメージでした。

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koza★majime2.com 松岡 正浩




〈D〉 シャルトリューズ・ヴェール

ひとつ前の赤ワインにこだわりすぎたあまり、時間がかなり過ぎていました。←これは絶対にやってはいけないことです。トータルで得点を重ね、合格すればいいんです。ブドウ品種を当てることにこだわってはいけません。

あと五分を切っている状況で、本当にあせっていました。〈D〉はマークシートに選択肢が並んでいました。色と香りで選んで正解。この独特の香りを知っていました。

私の解答:シャルトリューズ・ヴェール

〈E〉 スコッチウィスキー

残念ながらこちらは試験中にはわかりませんでした。時間が足りなかった事もあるのですが、微妙にくすんだ灰色に近い薄いロゼワインのような外観だったこともあり、さらに香りも乏しく???となってしまいました。今思い返しても、あんな色のスコッチを飲んだことがありません。

言い訳をするならシャルトリューズの特徴的な香りの後で、うまく香りが取れなかったと言いたいところです。安物のブランデー?アルコリックでとてもチープな味がしました。←なんて毒づいてみる。何と解答したかは忘れてしまいましたが、スコッチと解答していないことは間違いありません。

そこで時間切れ。
解答用紙が回収されたあと、すべてのアイテムを〈A〉からささっと試飲してみて、〈E〉がスコッチであることがわかりました。そのときになって初めてかすかにピート香を感じたからです。

なにを隠そう、私はスコッチが大好きでよく飲んでいたんです。バカンスにアイラ島の蒸留所に行こうと思って飛行機を調べたこともあるくらいなんです。だから本当に悔しかった。

変なプライドからか妙に熱くなってしまい、〈C〉のテンプラニーリョで時間を取られたことで最後のリキュールに正しく相対することができませんでした。また、マーク数を間違えると(多くマークすると)その項目は”0点”になるのですが、その見直しさえできませんでした。
私はワインの表現をマークシートから選ぶという行為に慣れておりませんでしたが、入院中に(暇ですから)これまでの協会発表の正解テイスティングコメントを眺めては協会独特の癖や言い回しを注意深く見ておりました。この時の経験が必勝マニュアルの原型ですが、入院中の”テイスティングコメントの研究”をこのような形で皆さんにお伝えすることになるとは夢にも思いませんでした。

試験会場を出るとテイスティングアイテムの発表があり、二つ目の赤がカベルネ・フラン/シノンであったことを知りました。あれがシノンかと驚いたのも束の間、自分のふがいなさに体の力が抜けるようでした。

それはブドウ品種を外したという事実ではなく、試験そのものをナメていた自分自身に対する怒りでした。シニア試験にカベルネ・フランなんて出るはずがないという勝手な思い込みがありました。そして、当たったテンプラニーリョについても、時間をかけ過ぎだったし、偶然だったなと反省しました。→こんなことを言っては何ですが、私はテイスティングにそれなりに自信を持っております。ですから、主要ブドウ品種を特定してどうこうとは思わず、正々堂々と向き合ってどこまで取れるかと考えていたのです。

それでも、合格は確信していました。筆記がまずまずよい感触であったことと、いわゆる当てるところ(ブドウ品種やヴィンテージ)でミスはあったものの、テイスティングコメントはかなり自信を持って選ぶことができたからです。

今となれば〈C〉のテンプラニーリョを外しても合格だったと思えます。〈B〉にしても、カベルネ・フランを私は線の細い、酸のしっかりしたカベルネ・ソーヴィニヨンのイメージでコメントを選びましたからテイスティングコメントに関してはそれほど間違っていないと思えたからです。

そして断言します。合格するためにはブドウ品種を当てることに心血を注ぐのではなく、的確に外観、香り、味わいのテイスティングコメントを選択することです。

私でも←何度も偉そうにスイマセン…。ここまで悩むのです。皆さんが悩まずにテイスティングできるはずがありません。そして、テイスティングコメントの重要性を心からご理解いただけたなら、このような恥をさらした私も報われるというものです。

最後まで絶対にあきらめてはいけません。みんなどんぐりの背比べなんです。気持ちで負けては最初から勝負になりません。

ご自身の合格を信じてください。信じられる人は絶対に強いのです。

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