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ワインの酸化防止剤って、何なの?

2020/06/18
 
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ワインの酸化防止剤に関して、正しく知ってほしいと心から願っております。 にほんブログ村 酒ブログ ソムリエへ

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ワインの酸化防止剤って、何なの?

酸化防止剤=亜硫酸塩と考えてよいのですが、その多くがワイン中の何かと結びついて無害で安定した物質に変化します。この化学変化・過程によってワインにさまざまな良い影響がもたらされます。

“無添加”という名前に騙されないで。スーパーやコンビニで大量に売られている酸化防止剤無添加と書かれたワインについての続きものです。

『スーパーやコンビニに並んでいる”酸化防止剤無添加ワイン”が工業製品でいわゆる”本当のワイン”ではないことはわかったわ。

ところで、酸化防止剤って何なの?』

「酸化防止剤を一言でいえば、硫黄です。昔、マッチを擦った時にプーンと匂ったのを覚えているでしょうか。

現在はボンベに充填されたガス、または水溶液にした”亜硫酸塩”を酸化防止剤として使用することが多いようです」

※亜硫酸塩とは
亜硫酸イオン SO32-の化合物の総称。金属の水酸化物または炭酸塩の溶液に二酸化硫黄を通じるなどして得る。一般に無色。水溶液中で酸化されやすく,還元剤として用いられる。

『へー、酸化防止剤って亜硫酸塩なんだ。ってよく知らないけど。でも、その亜硫酸塩って体に影響ないの?』

「確かに、大量に摂取すると体に良くはありません。また、特定の疾患の方には過剰に反応し、悪影響を及ぼすことがないとは言いません。

でもね、酸化防止剤(亜硫酸塩)を使用しなくても、通常のアルコール発酵で少量(10〜30mg/l)の亜硫酸塩が生成されるものなので、完全に存在しない状態にすることは非常に難しいんです」

『えっ、亜硫酸塩が自然に作られるんだ。ちょっとビックリ!』

「そして、ワインに対する酸化防止剤の使用は数千年前に確認されているんです。

紀元前のエジプトの遺跡で発見されたワインの容器から硫黄を燃やして燻蒸していた痕跡が見つかっています。また、古代ローマには日常的に、アンフォラという土器の中で硫黄の塊を燃やし充満させてからワインを満たして保存していました。

ワインは酸化防止剤と共に歴史を刻んできたと言ってもイイくらいです」

『そんなに昔からワイン造りには欠かせないモノだったというわけね』

「ですから、使用量さえ気をつければ、そんなに目くじらを立てるほどのモノではありません。日本を含む各ワイン生産国が人間に害のない使用量をきちんと規定しています。

そして、”酸化防止剤”という名前以上にものすごく役に立っているんです」

『酸化防止剤が役立っているって、酸化を防ぐ以外に何か役割があるの?』

「酸化防止剤(亜硫酸塩)がワイン造りにどれだけ貢献しているかをお話ししましょう。その前に、亜硫酸塩のスゴイところは、添加されてもその多くがワイン中の何かと結合し無害で安定した物質に変化することです。この科学変化・過程によってさまざまな効果がもたらされます」

『亜硫酸塩はワインの中で無害な物質に変わるんだ!

「もちろん、全てではありませんけどね。

さて、酸化防止剤(亜硫酸塩)の働きについて見ていきます。

1、ブドウ果汁の酸化を防ぎます。
これは酸化防止剤の名前の通りです。この場合、亜硫酸が果汁中の酸化しやすい物質と結合し、無害で酸化しない物質に変化することで果汁・ワインを酸化から守ります。

2、ブドウや発酵タンク等に潜んでいる腐敗菌やカビなどの有害微生物の繁殖を防ぎます。
ワインの醸造は微生物学的に非常に複雑です。ブドウは畑で育てられ、収穫されてそのまま洗浄することなく圧搾し果汁にして発酵させます。ですから、ブドウの果皮には酵母などの発酵に有用な微生物が存在する一方で、有害な菌類・バクテリアも多数蠢いております。

こちらは遊離状態(結合する前)での作用で、イメージ的には効率的な殺菌です

『なるほど。亜硫酸塩を添加しなければ、有害微生物がウヨウヨした液体を発酵させてワインにすることになるのね』

「ウヨウヨって表現は言い過ぎかもしれませんが。見えませんし。

さらに続けます。

3、発酵時に生成されるアルデヒドの不快な香りと成分を取り除きます。
このアルデヒドは多くの生物にとって有害で、さらに刺激臭を持ちます。アルデヒドといえばアセトアルデヒドが有名ですね」

『アセトアルデヒドって二日酔いの原因にもなるアレね』

「そうです。そして、まだまだ続きます。

4、酸化を防ぎつつ発酵を遅らせることで、不純物を沈殿させ清澄作業を容易にします。

5、ブドウの色素を酸化から守ることにより、色素溶出と液体的な安定を促進することが確認されています。

6、発酵が終了した後、ワインを瓶に詰める時に亜硫酸塩を添加することで、出来上がったワインの酸化を防ぎ、ワインの長期熟成を可能にします。
瓶詰め時に添加した亜硫酸も何かと結合したい性格を持つもともと不安定な存在なので、半年で約1/5程度に、数年でほぼ数値に表れないほどに減少すると言われています

『もう十分です!笑』

「このような理由から、世界中のワイン醸造家は”酸化防止剤”が必要であると考えているわけです。ちなみに、この酸化防止剤=亜硫酸塩の働きについては日本ソムリエ協会が実施するソムリエ認定試験にも出題されています」

『これだけ活躍すれば誰も文句は言えないはずなのに』

「頑張り屋さんの亜硫酸塩ですが、それでも大量に摂取すると害がないわけではないので、生産者もできるかぎり使用量を最小限に抑える努力をしており、その流れは年々良い方向に向かっていると言われています。

また、亜硫酸塩を全く使わずに本当に素晴らしいワインを造っている生産者も本当に極々僅かながらいらっしゃいます。

でもね、ワインには亜硫酸などとは比べ物にならないくらい体に悪いものが含まれているんですよ。なんだかわかりますか?」

『えっ、ワインに入っている体に悪いもの…。あっ、わかった!アルコールでしょ』

「そうです。アルコールです。ワインを大量に摂取して酸化防止剤(亜硫酸塩)で体が悪くなる前に、確実にアルコールが体と精神を蝕みます。アルコールは適量を超えると間違いなく毒ですから。

そんなアルコールに比べると亜硫酸塩なんてカワイイもの、ワインを一日2本ずつ毎日数十年間飲み続けても人体に影響がない量以下に規定されており、実際の使用量はさらに減少傾向であると先ほどお伝えした通りです」

『ワインに限らず、飲み過ぎがよくないのは当たり前。アルコール依存症なんてこともあるわけだし。今回の話で、適切に扱われた酸化防止剤はワイン造りに必要なものだということがよくわかったわ』

「日本において一部間違ったイメージが先行しているところがあるようですが、正しく理解して美味しいワインを飲んでいただければと思っています」

何かございましたらこちらまで
koza★majime2.com 松岡 正浩

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