カリフォルニア州<B>「ブティックワイナリーって何?」

第87回

さて、本日はアメリカの約8割の生産を占めるカリフォルニア州です。もちろんアメリカの出題の中でも多くを占めることになるのでしっかりした対策が欠かせません。

まずはカリフォルニアのワイン産地の雰囲気を感じていただこうということで、松岡さんがカリフォルニアに訪れた時のお話を読んでみて下さい。中心地であるナパ・ソノマのブティックワイナリーの感じが皆さんにも伝わるのではないかと思っています。

ブティックワイナリーって何?って思っていらっしゃる方にも雰囲気が掴んでいただけると思いますよ。

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私は一度だけアメリカ・カリフォルニアを訪れたことがあります。転職活動の合間に一ヶ月程滞在し、ナパ・ソノマを中心に毎日レンタカーでワイナリーを巡りました。英語は中学生程度でしたが、非常に有意義な一人旅、確か、2002年だったと記憶しております。

ナパやソノマのワイナリーの多くは街道沿いに位置しています。あるいは、テイスティング兼販売所が利便の良い所に設けられています。車で移動するとして、5分から10分に一軒はどこかしらでテイスティングできるように観光者にも配慮がなされているのです。特に予約も必要ありませんし、ふらっと立ち寄ることができます。
※予約が必要なワイナリー、一般お断りのワイナリーも当然あります。

ナパのワイナリーの地図

ただ、観光者向けということはテイスティング自体が商売になっているわけで、多くのところが有料です。

ちなみにフランスは大手シャンパンハウス以外はおおよそ無料で、テイスティングを商売にしている感じはありません。反面、基本的に予約が必要で、観光の方がふらっと立ち寄ってテイスティングしたり、ワインを買ったりということは難しいかもしれません。探せば、観光客向けに有料でテイスティングさせてくれるところもあります。

私はこの地に詳しいある方より、「ワインの仕事をしている、ワインの資格を持っていると伝えれば(わりと無料で)テイスティングさせてもらえるよ」と聞いておりました。

ですから、私はワイナリーに入って、担当者あるいは販売員に会うと最初に「私は日本でソムリエとして働いています。観光でナパに来ましたが、勉強させていただけませんか?」と挨拶をして、当時の職場の名刺とJSAの有資格者カードを提示しました。

つたない英語ではありましたが、思いは伝わるようでほとんどのワイナリーで歓迎していただき、概ね無料でテイスティングすることができました。言葉・国籍は違えどワイン業界に携わる同士といったところなのでしょう。→もちろん、全てではありません。有料のところもありました。

中には、一般の方が飲むことができないようなワインを飲ませてくれたり、こっそりと上級クラスのワインを出してくれるワイナリーもありました。

1976年パリテイスティングで有名なStag‘s Leap Wine Cellarsを訪ねた時のことです。こちらも予約をせずに立ち寄ったのですが、私が訪れる前にヴィンテージワインの試飲が行われていたのでしょう。この生産者の80年代、90年代のワインをいくつかテイスティングさせていただき、お土産にワインまでいただきました。たまたまタイミングが良かったのですが、素晴らしい経験でした。

テイスティングの料金が一番高かったのが、オーパス・ワンです。当時で30ドル、98年ヴィンテージだったと思います。それでも、私は無料でテイスティングさせていただき、さらに97年も飲ませていただきました。→おそらく特別に。裏から出てきましたから。

このように三週間で約100以上のワイナリーまたはテイスティング兼販売所を訪れ、約600種類以上のワインをテイスティングしたと記憶しております。一日に5~10のワイナリーを巡り、一箇所で5~10種類のワインをテイスティングしました。少なく見積もっても一日に30種類以上のワインと相対したことになります。

最初は色、香り…と全て書き留めようと試みましたが、時間に追われ、それどころではありませんでした。試行錯誤の結果、それぞれの項目(いわゆる外観・香り・味わい)を、五段階表記にして、自分なりにすばやくテイスティングすることを心がけました。そうこうしているうちに、なんとなくテイスティングのコツのようなものを掴んだ気がしたのです。それまで、これだけたくさんのワインを毎日テイスティングした経験はありませんでした。→三週間ぶっ通しで、朝から夕方までテイスティングし、その後、夜はどこかのレストランでワインを飲むなんて優雅な!?生活はそうそうできるものではありませんよね。

記録のとり方やタイミング・リズムも含めて、この時の経験が私のテイスティングの原点であるように思えます。

全てのワイナリー、ほぼ全てのワインを記録したのですが、非常に残念なことに記録した手帳を数回の引越しのうちに紛失してしまいました。今の私にとって、なによりも取り戻したいものの一つです。

誰も知らないアメリカの地で、飛び込みのテイスティングでしたが現地の方々の温かさに触れ、ワインってホントいいなぁとしみじみ感じたことを思い出しました。

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では、早速始めたいと思いますが、その前に一つだけご連絡です。

開催中のテイスティング基礎セミナーの大阪開催の締め切りが本日中となります。もしご検討されている方がおられましたら早めにご連絡下さい。早めの経験が必ず力になるはずです。

それでは、アメリカのメインであるカリフォルニアです。
今日はちょっと大変かもしれません。気を引き締めていきましょう。

※表紙はナパのワイナリーの間を走るアンティーク列車・ワイントレイン

 一番いけないのは、自分なんかだめだと思い込むことだよ。 by のび太(ドラえもんに向かって言った言葉)

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カリフォルニア州 <B>

 

アメリカワイン産業の中心、ワイン総生産量の80%を占めるカリフォルニア州です。CBT試験以降、AVAやカウンティに関する出題が増えました。ここは気合を入れて頑張ってほしいところです。→ただ、本当に本当に時間のない方は後回しにしましょう。ドイツの畑名と同じでほとんどなじみのない横文字を覚えるには時間と手間がかかるからです。よって、<B>としました。ただ、英語である分だけドイツよりはいけるんではないかと思います。

目次

 

C カリフォルニアワインについて

◆概要
太平洋岸のノース・コーストからセントラル・コーストかけて、ナパ、ソノマを筆頭に高品質ワインの産地が集中、年間5000ケース以下の小規模な生産者が多い。一方で、セントラル・ヴァレー(インランド・ヴァレーズ)では世界的巨大ブランドによって大量の日常ワインが造られています<1>

1970年代以降、温暖な気候から生まれる重厚なカベルネ・ソーヴィニヨンがカリフォルニアワインの筆頭とされてきましたが、最近はよりソフトでエレガントなスタイルのワインや、冷涼な産地のピノ・ノワールやシャルドネの評価が高まり、多様化してきています。

2022年8月現在、147のAVAが認められており、約5900軒(アメリカ全体の43%)のワイナリーがあり、アメリカワインの約80%<1>を生産しています。

◆歴史
・18世紀後半 (スペインはフロリダ半島を含むメキシコ以南を植民地としていた)フランシスコ修道会がメキシコから北上、先住民に改宗を勧めるために21の伝道所を開きました。この時にミッション(=修道会の意)種のブドウが各地に伝播しました。ミッション種<1>はDNA解析の結果、アルゼンチンのクリオージャ・チカ、チリのパイスと同一品種で、スペインのリスタン・プリエートにさかのぼるとされています。→またアルゼンチンとチリの回でも登場します。

・19世紀初頭 アラスカやカナダに毛皮貿易で進出していたロシアは、カリフォルニアに南下、ボデガ湾の北に拠点を築き、ここがソノマで初めてブドウが植えられた場所となり、ジェンナーから内陸に続く川はロシアン・リヴァーと命名されました。

・1821年 メキシコがスペインから独立、宣教師たちはスペインに引き上げることに。

・1848年 西部への勢力拡大をすすめるアメリカとメキシコとの間で起こった戦争にアメリカが勝利し、カリフォルニア州を手に入れることに。

・1849年 ゴールドラッシュ

・1873年 最初のフィロキセラがソノマで発見される。

・1934年 禁酒法を生き抜いた一人握りの生産者たちが、ワインインスティテュートやカリフォルニア大学デイビス校と協働し、再び高品質ワイン造りを目指します。
ボーリュー・ヴィンヤードのジョルジュ・ドゥ・ラトゥールが、フランスでのワイン醸造経験が豊富なロシア人醸造家のAndre Tchelistcheff(アンドレ・チェリチェフ)<1>を雇い入れ、低温発酵、マロラクティック発酵、オークの小樽を使った熟成などの技術で高品質ワインを生み出しました。また、近代カリフォルニアワインを牽引することになる他の多くの生産者の指導にも当たり、有名なロバート・モンダヴィもチェリチェフの輩出した生産者の一人。

・1966年 近代カリフォルニアワインの父と呼ばれるロバート・モンダヴィがオーク・ヴィルにワイナリーを設立、ワイン造りへの情熱と優れたマーケティング手法により、ワインに親しみのなかったアメリカの消費者の教育・啓蒙に努めました。

・1976年 パリ・テイスティング

・1978年 ロバート・モンダヴィとムートン・ロッチルドのフィリップ・ロスチャイルド男爵による初の新旧世界ジョイント・ヴェンチャーワインとして、ナパにOpus One Wineryが誕生。

・1983年 ナパで発見された新種のフィロキセラ(バイオタイプB)に対してヴィニフェラとルぺストリスの交配台木(AXR1)に抵抗力がないことがわかり、多くの畑で植え替えを余儀なくされます。ただ、これを機にそれぞれの畑のテロワールにより適したブドウ品種や栽培法を再選択することになったため、ワインの品質向上につながりました。

・2000年代 ロバート・M・​パーカー Jr.の影響で”ビック”な方向に振れがちだったワインのスタイルが、反対に「エレガント、ナチュラル、バランス」が良い、料理に寄り添うヨーロッパスタイルのワインを志向する生産者が増えました。

・2013年 ジョン・ボネ著「The New California Wine」において、「カリフォルニアワインが、パーカー前、パーカー後に続く、第3世代に入った」と述べています。

・2012年から5年連続干ばつ。2017年から2020年まで連続した大規模な山火事。2019年にソノマ・カウンティにおいて大被害(31,500haも延焼し、歴史的な畑の一部が損傷しました。)、2020年も8月と9月になパを中心に大きな被害があった。(8月は煙によるダメージ、9月は27200haが焼失。30以上のワイナリーがが被害を受けました)

※教本P139の「サステナビリティの時代」に関する記載は、近年業界では話題になることも多く、論述試験対策等で狙われました。→ソムリエ教会はこのような流行に敏感です。また、21年にCCSW<1>やSIPが何の団体<1>かを問われる問題が出題されました。
カーボン・ニュートラルへの取り組みなども読んでおいた方が良いでしょう。

D 気候・風土

カリフォルニア州中部からオレゴン州の太平洋岸には1,200m級の海岸山<1>が立ちはだかり、さらに内側には3,000m~4,000m級のシェラネヴァダ山脈<1>が海岸山脈と並行に走り雨を遮ります。また、太平洋岸を北から南へ流れるカリフォルニア海流が水温の低い寒流である影響で、海に近いほど冷涼で、内陸に行くほど暑く乾燥した気候になります<1>

海岸山脈とシェラネヴァダ山脈の間の広大な農業地帯であるセントラル・ヴァレー<2>は非常に乾燥していて夏は気温が40度に達します。この温まった空気が上昇する為、その底部が真空地帯となりそこに太平洋上で夜間に発生した大量の霧や冷たい空気が流れ込みます。川のように流れこむ霧は、非常に速い速度で200㎞以上も内陸まで到達し、自然のクーラーの役割を果たします。このように太平洋岸から内陸部にかけて大小多様な微気候(マイクロ・クライメット)が生まれます。

この霧の流入は、ブドウの生育期間中ほぼ毎日繰り返され、朝から昼にかけてゆっくりと気温が上昇し、夕方から夜間にかけて急速に冷え込みます。この昼夜の気温差によってゆっくりと成熟することで良いブドウとなります。

一方で、秋の収穫時期に雨が降らず乾燥し、強風が吹くため山火事が起こりやすく、地球温暖化によりその被害がより大きくなってきています。近年は連続して大きな山火事被害が起きています。

E 主なブドウ品種

◆ブドウ品種別栽培面積ランキング
→黒ブドウが63%を占めます。

① カベルネ・ソーヴィニヨン→全体第1位<3>
 シャルドネ→白ブドウ第1位<3>
 ピノ・ノワール→黒ブドウ第2位<1>
④ ジンファンデル
 メルロ↑↑↑上位5品種の栽培量がかなり多いです。
⑥ フレンチ・コロンバール
⑦ ソーヴィニヨン・ブラン
⑧ ピノ・グリ
⑨シラー

※フレンチ・コロンバールを覚えていますか?←忘れた方は即チェック。カリフォルニアでは大量生産型の白ワインとスパークリング用です。

◆交配品種、シノニム、その他
・ソーヴィニヨン・ブラン=ブラン・ヒュメ
・ジンファンデル=プリミティーヴォ(イタリア)<1>→ルーツはクロアチアの土着品種トリビドラグ(これも覚えてますか?)
・ルビー・カベルネ=カベルネ・ソーヴィニヨン×カリニャン
・プティ・シラー:アメリカおよび南米において色が濃くタンニンの強いワインを造る黒ブドウ。カリフォルニアでは酒精強化ワインに使用されてきましたが、近年はジンファンデルなどとブレンドされることが多くなりました。

F ワインリージョンと主なワイン産出カウンティ

G ノース・コースト


・Mendocino County<4>
・Lake County<3>
・Napa County
<2>
・Sonoma County<4>
・Solano County<1>

H Napa County

サンフランシスコから北に20㎞、西のマヤカマス山脈<2>と東のヴァカ山脈<1>囲まれ、南はサン・パブロ湾に面しています。特に南部は海からの冷たい海風の為に冷涼です。
傑出したカベルネ・ソーヴィニヨン(栽培面積の50%)のワインが世界的に高い評価を得ています。生産量はカリフォルニア全体の約4%を占めます。

※2024年の教本でナパ・ヴァレーの土壌形成について、大幅な加筆がされました。余裕のある人は目を通しておきましょう。

Napa Countyの大部分がNapa Valley AVAに包括されます。

ヴァレー中央部のAVA
・Calistoga(カリストガ)
→ナパ最北端<4>
・Coombsville(クームズヴィル)<2>
・Oak Knoll District of Napa Valley(オーク・ノール・ディストリクト)<2>
・Yountville(ヨーントヴィル)<2>
・Stags Leap District(スタッグス・リープ・ディストリクト)<3>
・Oakville(オークヴイル)<4>
→有名生産者が軒を連ねます。ロバート・モンダヴィなど。CS。
・Rutherford(ラザフォード)<3>
→フランシス・コッポラの”RUBICON ESTATE”
・St. Helena(セント・ヘレナ)<3>
・Los Carneros / Carneros(ロス・カーネロス)<5>
→ナパ最南端で<1>、最もサン・パブロ湾に近く冷涼、シャルドネ、ピノ、高品質スパークリングワインが有名です<1>Sonoma Countyにも跨っています。

ヴァカ山脈側のAVA
Wild Horse Valley(ワイルド・ホース・ヴァレー)<2>
→ケンゾーエステイトで一気に有名になったかも。

・Atlas Peak(アトラス・ピーク)<2>
Howell Mountain(ハウエル・マウンテン)<1>
→1983年、ナパ・ヴァレー最初のAVA認定

マヤカマス山脈側のAVA
・Mount Veeder(マウント・ヴィーダー)<1>
・Spring Mountain District(スプリング・マウンテン・ディストリクト)<3>
・Diamond Mountain District(ダイヤモンド・マウンテン・ディストリクト)<5>

※地図問題も問われています。

I Sonoma County

サン・パブロ湾から北上するに従って徐々に温暖になりますが、太平洋からの影響もあり比較的冷涼<1>。太平洋岸は海からの影響が強い為、非常に冷涼であり、また、海岸山脈が途切れるペタルマ・ギャップ渓谷付近は内陸にも海風が吹き込むため、冷涼な気候となります。

ナパ・カウンティの2倍の広さを持ち<1>、冷涼なエリアでシャルドネ、温暖な内陸部でカベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデルが高い評価を得ており、近年太平洋側の冷涼なエリアにブドウ畑が広がるにつれて高品質なピノ・ノワールにも注目が集まっています。<1>

・Russian River Valley(ロシアン・リヴァー・ヴァ レー)<2>
→西側にペタルマ・ギャップがあり冷涼
・Petaluma Gap(ペタルマ・ギャップ)
→2018年新設、海岸山脈が途切れているところで、太平洋からの霧と冷たい海風がここから内陸部に入り込みサン・パブロ湾に向けて吹き抜けます。
・Chalk Hill(チョーク・ヒル)<1>→白ワイン
・Rockpile(ロックパイル)<1>→赤ワイン
・Alexander Valley(アレキサンダー・ヴァレー)<4>→カベルネ・ソーヴィニョン
・Knights Valley(ナイツ・ヴァレー)
・Dry Creek Valley(ドライクリーク・ヴァレー)<1>
・Bennett Valley(ベネット・ヴァレー)
・Moon Mountain District(ムーン・マウンテン・ディストリクト)
・Los Carneros / Carneros(ロス・カーネロス)<4>→ナパにも
・Sonoma Coast(ソノマ・コースト)→ソノマ最大のAVA

J Mendocino County

山地が多く、総面積の60%が森林地帯、初期のイタリア移民によって植樹されたレッドウッド(セコイヤ)の森がこの地域の特徴となっています。

ソノマの北側、ノース・コースト最北端。太平洋の影響を強く受け、沿岸部は特に冷涼です。カリフォルニアで最も早く、1980年代からオーガニックに取り組んできました。

・Anderson Valley(アンダーソン・ヴァレー)<1>
→シャルドネ、ピノに高品質スパークリングワイン、またリースリング、ゲヴュルツトラミネールなども有名です。
※シャンパンハウス、ルイ・ロデレール社は1982年に同業者の多くが選んだカーネロスではなく、当時はまだ無名のこの地にワイナリーの設立を決めました。

 

K セントラル・コースト

サンフランシスコ・カウンティ<1>南部からロサンゼルスに近いサンタ・バーバラまでの南北約400km、東西約40km、10のカウンティを包括する広大なエリア。

こちらも沿岸部は冷涼でピノ・ノワールやシャルドネの産地が集中し、内陸部は乾燥して温暖な気候であるため、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ、ジンファンデルの他、シラーやグルナッシュ、ヴィオニエなどローヌ系品種が栽培されてきました<1>

・San Francisco County<4>

・Santa Clara County<1>

・Santa Cruz County<1>
:Santa Cruz Mountains AVA<2>
→セントラル・コーストAVAには含まれません。

・San Benito County
:Mount Harlan AVA(マウント・ハーラン)<2>
→ブルゴーニュで学んだジョシュ・ジェンセンのカレラ”ピノ・ノワール”が有名。

・Monterey County<3>
:Monterey AVA
:Chalone AVA<1>
:Arroyo Seco

・Sun Luis Obispo County<2>
:Paso Robles AVA(パソ・ロブレス)<1>
→サン・ルイ・オビスポ・カウンティの北半分を占める大きなAVA<1>。ジンファンデルとローヌ系品種が成功している<1>

・Santa Barbara County<3>
→セントラル・コースト最南端<1>
:Santa Ynez Valley AVA<2>
:Alisos Canyon AVA→2020年8月に承認。

L その他の地域

◆シエラ・フットヒルズ
ゴールドラッシュの中心地、シェラネヴァダ山脈の西側にブドウ畑が点在、ジンファンデルが有名です
・El Dorado<1>

◆インランド・ヴァレーズ
海岸山脈とシェラネヴァダ山脈の間にある、肥沃で広大な農業地帯(一般的にはセントラル・ヴァレーと呼ばれてきました)。あらゆる農産物が栽培されており、膨大なブドウ畑があります。
日常消費用大型ブランドワインが産出されます。

・Lodi AVA(ローダイ)
開拓初期の19世紀からカリフォルニアの中心的な産地で、樹齢の高いジンファンデルをはじめとした高品質なブドウ産地としても注目されています<1>。カリフォルニア全体のジンファンデルの40%を占めます。<1>
サステイナブル農法に関する取り組みが早くから実施され、ローダイ・ルールズとして2005年に正式認証、2022年にはカリフォルニア州、ワシントン州、海外ではイスラエルなどにある1200のブドウ畑が認証されています。

・Madera AVA(マデラ)<1>

◆サザン・カリフォルニア
・San Diego County<2>
・Los Angeles County<2>

なかなか覚えられないものですが、過去問を通して慣れてみましょう。

ソムリエ試験 過去問

【過去問】
カリフォルニアワイン生産地ノース・コーストで最も北に位置するカウンティを次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Lake
2. Napa
3. Mendocino
4. Sonoma

【過去問】
AVA Russian River Valley は次のどのエリアに位置しているか、次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください。

1. ノース・コースト
2. セントラル・コースト
3. セントラル・ヴァレー
4. サウス・コースト

【過去問】
次のAVAの中からNapa Valleyのものを1つ選び、解答欄にマークしてくださ い。

1. Chalone
2. Rockpile
3. Alexander Valley
4. St.Helena

【解説】
2年連続で選択肢に出てきたChaloneはMonterey Countyです。

【過去問】
アメリカのソノマ郡に位置している A.V.A. を 1 つ選んでください。

1. Rockpile
2. Howell Mountain
3. Arroyo Seco
4. Saint Helena

【過去問】
カリフォルニア州主要ブドウ品種栽培面積において最も面積の大きい品種を次の中から 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Merlot
2. Chardonnay
3. Cabernet Sauvignon
4. Zinfandel

【過去問】
次の中から Napa Valley の AVA を 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Oakville
2. Rockpile
3. Alexander Valley
4. Chalone

【過去問】
カリフォルニアワイン産地の気候に影響を与える山脈名を 1 つ選んでください。

1. シェラネヴァダ山脈
2. アラパチア山脈
3. タトラ山脈
4. カラコルム山脈

【過去問】
カリフォルニアで開発された Cabernet Sauvignon と Carignan の交配品種を 1 つ選んでください。

1. Zinfandel
2. Rubired
3. Ruby Cabernet
4. Pinotage

【過去問】
カリフォルニア州で最も多く栽培されている黒ブドウ品種を 1 つ選んでください。

1. Zinfandel
2. Cabernet Sauvignon
3. Merlot
4. Pinot Noir

【過去問】
カリフォルニア州セントラル・コーストに位置するものを 1 つ選んでください。

1. Oakville
2. Monterey
3. Solano
4. Sonoma

【過去問】
ナパ・カウンティの西側に沿ってそびえる山脈の名前を 1 つ選んでください。

1. ヴァカ山脈
2. マヤカマス山脈
3. セント・ヘレナ山脈
4. サンタ・ルシア山脈

【解説】
ちょっと難しいですね。ソノマとの境にある山脈です。

【過去問】
次の記述に該当するカリフォルニア州North Coastの A.V.A.を1つ選んでください。

「サン・パブロ湾に面しているため最も冷涼な気候で、シャルドネやピノ・ノワールが栽培され、カリフォルニアの高品質 スパークリング・ワインの生産拠点。」

1. Napa Valley
2. Russian River Valley
3. Los Carneros
4. Calistoga

【過去問】
ナパ・ヴァレー A.V.A. 内で最も南に位置する A.V.A. を 1 つ選んでください。

1. Stags Leap
2. Oakville
3. Calistoga
4. Los Carneros

【過去問】
Mendocino Countyに位置するA.V.A.を1つ選んでください。

1. Anderson Valley
2. Alexander Valley
3. Russian River Valley
4. Knights Valley

【過去問】
次の 1-4 の AVA にはいずれもヴァレーという名がついているが、これらの中からソノマ郡以外のAVAを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. ヤキマ・ヴァレー
2. アレクサンダー・ヴァレー
3. ラシアン・リヴァー・ヴァレー
4. ドライ・クリーク・ヴァレー

【過去問】
次の中からカリフォルニア州 Napa郡のAVAではないものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Howell Mountain
2. Chalk Hill
3. Yountville
4. Saint Helena

下記三問は地図を見て答える問題です。同レベルのことは地図上で確認しておきましょう。

【過去問】
次のカリフォルニアの地図A~Dの中からワイン産地Santa Barbaraの正しい位置に該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1.A   2.B   3.C   4.D

【過去問】
次のカリフォルニアの地図A~Dの中からワイン産地Sonomaの正しい位置に該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1.A   2.B   3.C   4.D

【過去問】
次のカリフォルニアの地図A~Dの中からワイン産地Napaの正しい位置に該当するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1.A   2.B   3.C   4.D

【過去問】
次のアメリカのワイン産地の地理的状況に関する記述に該当するワイン産地を下記の中から 1 つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

「西側をマヤカマス山脈、東側をヴァカ山脈に囲まれ、サン・パブロ湾からセントへレナ山まで北西に延び、全長約 50 km で幅は最も広い場所で約8km、最も狭い場所で約1.6 kmの細長い地形のワイン産地」

1. Napa Valley
2. Mendocino
3. Sierra Foothills
4. Sonoma Valley

【解説】
この問題文は覚えてください。上記はNapa Valleyを説明しています。

【過去問】
次の中から、Napa CountyのAVAではないものを1つ選んでください。

1. Oakville
2. Russian River Valley
3. Rutherford
4. Saint Helena

【過去問】
次の中からカリフォルニアで開発された交配品種 Ruby Cabernetの交配として正しいものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Cabernet Franc × Gamay
2. Cabernet Franc × Carignan
3. Cabernet Sauvignon × Carignan
4. Cabernet Sauvignon × Zinfandel

【過去問】
カリフォルニアのワイン生産地に関する記述の( )に該当するものを1つ選んでください。

「サン・ルイス・オビスポ・カウンティに属するAVAパソ・ロブレスでは、( )の品種が多く栽培されていることで有名である」

1. アルザス系
2. ロワール系
3. ローヌ系
4. ボルドー系

【過去問】
次のアメリカのAVAの中から、ナパ・カウンティとソノマ・カウンティの両方に属しているものを1つ選んでください。

1. Oakville
2. Chalk Hill
3. Howell Mountain
4. Los Carneros

【過去問】
次の中からアメリカの North Coast地域に属さない郡を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Mendocino 郡
2. Sonoma 郡
3. Lake 郡
4. Santa Barbara 郡

【過去問】
次の 1-4 のカリフォルニア州のAVAの中からナパ・ヴァレーに属するものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Potter Valley
2. Alexander Valley
3. Diamond Mountain
4. York Mountain

【過去問】
次のアメリカの記述に該当するワイン用ぶどう品種を1つ選んでください。

「イタリア南部プーリア州のプリミティーヴォと同一品種であり、ルーツはクロアチアの土着品種と報告されている。」

1. プティット・シラー
2. ジンファンデル
3. ルビー・カベルネ
4. ラビレッド

【過去問】
カリフォルニアのソノマ・カウンティで、Chardonnayの次に栽培面積の広いワイン用ぶどう品種を1つ選んでください。

1. Merlot
2. Sauvignon Blanc
3. French Colombard
4. Cabernet Sauvignon

 

いや~長かったし、私も本当に疲れました。皆さんはもっと大変ですよね。どこまで覚えるか決めてもいいかもしれません。ただ、AVAの問題は何回か繰り返していると覚えてくるんじゃないかなと。お疲れ様でした。あと2回アメリカです。

今日はここまでにします。というか、もう十分ですね・・・。

何かございましたらこちらまで
info@majime2.com 牧野 重希



牧野 重希