Categories: イタリア

モリーゼ、カンパーニア<E>「復習はどうやってやればいいの?という方に」

第57回

いただいた質問にお答えします。

過去に勉強した範囲はどのタイミングで復習するべきでしょうか。

先日、これまでに勉強した範囲の過去問を解いていったのですが、思った以上に忘れていたり勉強が足りない部分があり、正解率が約半分と焦りを感じております。
今は”こーざ”のペースで勉強を進めていますが、今から戻ってやり直すのか一通りやり終えてから戻るのか、どちらが良いのでしょうか。

暗記の基本は繰り返しです。

暗記したことを何度も繰り返し意識することで、蓄積された知識が引き出される確率が上がります。繰り返しの回数が多いほど、蓄えた知識をアウトプットする為の神経ラインがつながりやすくなり、太くなり遂には繋がったままの状態になるようなイメージだそうです。
40回でも少しお話しましたね。

この講座に合わせて勉強していただければ一次試験までに試験範囲を網羅することになりますが、暗記は繰り返しということを考えると、一通り勉強を終えてから復習では間に合わないように思います。個人差があるでしょうが、定期的に復習を取り入れていただくことをおすすめします。

皆さん誰もが仕事をしながらの試験勉強ですから、時間が無制限にあるわけではありません。自分の時間を今一度見直して、復習にどの程度時間を割けるのか考えてみてください。

この話に交えて、勉強法の続きも少しお話ししましょう。
→以前の内容はこちらです。(41回44回53回

先程申し上げた通り、勉強の仕方は個人差がありますからあくまで参考程度にですが、復習に手が出ない方におススメしたいのは次の方法です。

・勉強の単位を細分化しておく。
・睡眠前の時間を復習に使ってみる。

復習に限らず勉強に手がつかない理由の一つとして、「勉強にまとまった時間を欲しがる」ことが挙げられます。
例えば、1時間のヒマができたらその時間を勉強に充てようと思うところ、30分しか無かったら「やっても集中できないし、終わらないからいいや」と勉強をするのをあきらめてしまうことはないでしょうか。30分ならやるよー、という方も今度は15分ならどうでしょう?

勉強する時間を心待ちにしている方ならヒマができた瞬間にすぐに勉強にとりかかるのでしょうが、そうでない方にとって勉強はやはりハードルが高いものです。
「この時間は勉強に充てる!」というまとまった時間が無いと、なかなか勉強に手がつかなくなってしまうのです。

そこでこの「勉強の単位を細分化しておく」というご提案です。

あらかじめ、勉強内容を具体的に整理し、細かく仕分けしておくのです。
例えばこの講座の場合なら、
① まずは5分くらいで全体にさらっと目を通す
② 20分くらいで本編にじっくり目を通す。
③ 過去問を解く。15分~30分くらい。
④ 10分ぐらいで正解できなかった内容を見直す。
⑤ 前回の章の過去問をもう一度解いてみる。15分。

みたいな感じです。

これはあくまで一例なので、勉強内容の仕分けの方法は個人に合ったやり方で構わないと思います。もうちょっとざっくりでも良いですし、もっと細かくしても良いでしょう。

勉強内容を具体的に小分けにしておくと、ヒマな時間ができた時に「少ない時間だけど、~だけなら進められるな」と軽いフットワークで勉強に向き合うことができるようになります。「1時間程度かかる勉強のたった5分をやってもしょうがない」という発想から、「5分で終わる勉強を完結できた」という見方にチェンジできるわけです。

こうやって細分化しておくことは、隙間時間を有効利用できるだけでなく普段の勉強でもメリットがあります。勉強に取り掛かる際の抵抗感が自然と低くなるのです。「これから1時間がっつり集中しなくては」と考えるのと、「とりあえず15分かけてここだけ終わらせよう」と考えるのでは全然違いますから。いざ始めてみれば、結果的に15分×4の1時間くらいは勉強できてしまったりするものです。

復習という作業も、何をするか細かく具体的に整理して、ちょっとした時間で振り返れるように工夫してみましょう。

そしてもう一つ、「寝る前の時間」を有効利用してみて下さい。

この話は比較的有名な話なのですが、睡眠中に脳は記憶の整理を行っているので、暗記作業は寝る前にすることで覚えやすくなるというお話です。実際に色々な人や本で同じようなことが語られていますので、脳の特性を活かした有効なやり方だと思います。

正直、すぐに実感が伴うような方法ではないと思うので、この話を聞いて午前中にリズムよく勉強ができていた方が、無理に勉強する時間を寝る前にする必要はないと思っています。それ以上に習慣としてリズムよく勉強できる方が大事だと思うからです。

なので、そんな方は、「寝る前の15分くらいを復習の時間にしてみる」とか、(ボルドー61シャトーのような)暗記作業でしかないような内容に目を通す時間にしてみる」といったことで十分でしょう。

使える手法は使った方がお得だと思える方は試してみて下さい。

度々になりますが、暗記は繰り返しがポイントです。前述のような方法で何とか時間を見つけて、明確に時間を意識して復習されることをお勧めします。

※表紙はポンペイ遺跡から臨むヴェスヴィウス火山<1>

成功するには、成功するまで決して諦めないことだ。by アンドリュー・カーネギー

◎ちょっとまじめにソムリエ試験対策こーざ 二次試験対策メルマガ 登録はこちらから
現在、ご登録いただいた方に、今からできる「二次試験合格をグッと引き寄せる3つのトレーニング」をお伝えしてます。
さらに続けて、
・ワインの酸とアルコールについて
・各ブドウ品種の特徴
・白ワイン・赤ワインの特徴
・二次試験で出題されたワインの分析
・二次試験対策用のワインについて
・ワインのヴィンテージについて
等をお伝えします。二次試験において重要なことばかりですので是非ご購読ください。
◎インスタグラムで日々の勉強をちょっとサポート。フォローはこちらから



モリーゼ、カンパーニア <E>

目次

 

N Molise モリーゼ州

1964年にアブルッツォ州から分離した<1>イタリアで最も知名度の低い小さな州。55%が山地で45%が丘陵地、ブドウ栽培の歴史は古いですが地元消費が中心。亜大陸性気候で夏暑く、冬寒い。経済は発展しておりませんが、自然が汚染されていないため美しく、近年観光業が伸びています。DOCGはありません。<1>

主要ブドウ品種
白ブドウ
・トレッビアーノ・トスカーノ
・ペコリーノ
・パッセリーナ
・ボンビーノ・ビアンコ:主にプーリアで栽培されています。

黒ブドウ
・ティンティリア→モリーゼ州唯一の固有品種<3>
・モンテプルチャーノ
・アリアニコ

覚えておきたいDOC

Biferno(白・赤・ロゼ)
Tintilia del Molise
→ポイントはTintiliaが黒ブドウであることでしょう。うしろにモリーゼって書いてあるし。土着品種回帰の中、復活しつつあるモリーゼを代表する黒ブドウです。

O Campania カンパーニア州

風光明媚な観光地、文化遺産が州内に集積しており、自然の素晴らしさも破格です。降り注ぐ太陽、陽気なイタリア人というイタリアのイメージに最も近い州と言えます。ワイン造りの歴史は古く、紀元前からFalernumはグラン・クリュとして讃えられていました。
→ポンペイ遺跡の酒場の壁に書かれた言葉が残っています。「一アスでワインが飲める。二アスなら最高のワインが。四アス出せばファレルヌムのワインが飲める」
海岸沿いの地域は温暖な地中海性気候で土地がやせておりブドウ栽培に向いています。また、今なお活動中のヴェスヴィウス火山があり、火山性土壌<2>も特徴の一つです。ワイン造りに理想的な環境であるがゆえに、怠惰な眠りを貪っていると非難された時代もありましたが、ここ20年ほどのカンパーニャワインの躍進は目を見張るものがあります。<1>
州都はナポリで、ナポリ風ピッツァは超有名ですね(Pizza Margherita<1>。日本ではローマ風を探す方が難しい。Limonchello(リモンチェッロ)の産地<2>としても有名です。レモンはシチリアのイメージもあるかもしれません。間違えないようにしましょう。
人の足に例えると、向こう脛(すね)に位置します。位置<2>も何となく覚えておきましょう。

主要ブドウ品種
白ブドウ
・グレーコ<2:イタリア南部を代表する白ブドウ。酸とミネラル、力強いワインに
・フィアーノ:フラワリ―で優美なワインに
・ファランギーナ
コーダ・ディ・ヴォルペ→こちらが2018に「狐のしっぽ」<3>のブドウとして出題され、話題になりました。

黒ブドウ
・アリアニコ<1>:イタリア南部を代表する黒ブドウ。濃く、タンニンの強い、偉大なワインに。
・ピエディロッソ:カンパーニア州の固有品種

覚えておきたいDOC
・Falerno del Massico→ファランギーナの白、アリアニコの赤が造られるためまずまず有名。
・Ischia

・Vesuvio→Lacryma Christi del Vesuvioがいろんな意味で有名です。

DOCG(4つ<1>

Taurasi(赤)<4>→ブドウ品種はAlianico<1>。火山性土壌、スパイシーで、酸味もしっかりした厳格な赤ワインとなります。
Greco di Tufo(白・泡)→ブドウ品種はGreco Tufoという凝灰岩土壌<1>が有名です。熟成すると蜂蜜のトーン<1>が明確にあらわれます。→ものにもよると思いますが、確かに出てきますね。
Fiano di Avellino(白)→ブドウ品種はFiano
Aglianico del Taburno(赤・ロゼ)→もう一つAglianicoから造られるDOCG。ロゼもあります。

 

ソムリエ試験 過去問

【過去問】
Taurasiの主要ブドウ品種を次の中から1つ選び、解答欄にマークしてください

1. Aglianico
2. Sangiovese
3. Calabrese
4. Corvina

【過去問】
次の銘柄のうち赤ワインのみを生産するものを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Alta Langa
2. Greco di Tufo
3. Frascati Superiore
4. Carmignano

【過去問】
次の(A)~(E)の銘柄を産出する州を地図中 1 ~ 10 の中からそれぞれ選び、 解答欄にマークしてください。

(A)  Bardolino Superiore
(B)  Vino Nobile di Montepulciano
(C)  Franciacorta
(D)  Taurasi
(E)  Asti

【過去問】
次のイタリアワイン銘柄の中から白・赤ワイン共に生産するものを 1 つ選び、解答欄にマークしてください。

1. Roero
2. Taurasi
3. Dogliani
4. Conero

【過去問】
凝灰岩土壌で栽培されているブドウで造られるカンパーニア州の銘柄を 1 つ選んでください。

1. Orvieto
2. Colli Albani
3. Greco di Tufo
4. Zagarolo

【解説】
凝灰岩土壌等までは覚える必要はありません。土壌を問われるくらいの有名産地ととらえ、素直にカンパーニア州を代表するGreco di Tufoを選択します。

【過去問】
次の銘柄の中で Classico の表示が認められているものを 1 つ選んでください。

1. Gavi
2. Conero
3. Fiano di Avellino
4. Castelli di Jesi Verdicchio Riserva

【解説】
この Classico 等の表示まで確認する時間がないと思うんですよ。ですから、過去問で出てきたもの、どこかで見かけて気になったもの以外は無理に覚えなくてもよいと思います。

【過去問】
次の(A)、(B)、(C)のワインを産出する州を下記地図中 1 ~ 12 の中から 1 つ選んでください。

(A)Frascati Superiore
(B)Ghemme
(C)Fiano di Avellino

【過去問】

ワイン用ぶどう品種 Aglianico 主体で造られるカンパーニア州の D.O.C.G. を 1 つ選んでください。

1. Conero
2. Rosazzo
3. Taurasi

4. Carmignano

【過去問】

下記のイタリアの地図A~Dの中からD.O.C.G. Taurasiを生産する産地(州)を1つ選んでください。

1. A
2. B
3. C
4. D
 
【解説】

今日は簡単ですけどね。イタリア20州の位置関係は必須です。

【過去問】

次の記述について正しい場合は1.を、誤っている場合は2.を選んでください。

「火山灰のグレーコ土壌でギリシャ人がもたらしたぶどう品種「トゥーフォ」から造られる、Greco di Tufoは、Campania州唯一の白のD.O.P(. D.O.C.G.)である。」

1. 正    2. 誤

【解説】
なんだかもっともらしいことを書いてますが、落ち着いてよく読めばわかる問題です。

【過去問】
次のイタリアの州の中からアドリア海に面していない州を1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Umbria
2. Abruzzo
3. Molise
4. Marche

【解説】
アドリア海がどちらかわかりますか?また、反対側の海はなんといいますか?→◯ィレニア海

【過去問】
次のD.O.C.G.ワインの中から赤だけの生産が認められているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Recioto di Gambellara
2. Cesanese del Piglio
3. Fiano di Avellino
4. Albana di Romagna

【過去問】
次の中から南イタリアの D.O.C.G.ワインで、アリアーニコ種のぶどうを主体に造られているものを1つ選び、解答用紙の解答欄にマークしてください。

1. Taurasi
2. Greco di Tufo
3. Fiano di Avellino
4. Vermentino di Gallura

【過去問】
次のイタリア地図の中からCampania州に該当するものを1つ選んでください。

なんだかいつもより楽チンですね。

 

何かございましたらこちらまで
info@majime2.com 牧野 重希



牧野 重希