ブドウ栽培の一年~敬頌新禧

第4回
皆さん、あけましておめでとうございます。新年一回目の更新となります。
昨年の1月1日、能登半島地震が発生しました。当時、帰省した実家のテレビでこのニュースを見ていた時の驚きは、今でも鮮明に思い出せます。元旦に大きな衝撃を与えたこの地震は、私にとって、自分たちの日常は決して当たり前ではないのだと改めて教えられた、戒められたような出来事でした。
この地震により、命を落とされた多くの方々に心から哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りいたします。
また、避難生活を続ける方々や復旧に尽力されているすべての方々を心より応援するとともに、困難な状況の中で日々を耐え抜いている皆さんに、少しでも希望の光が差し込むことを願ってやみません。私たち一人ひとりができることを考え、支援の手を差し伸べることが、復興への道だと信じております。
被災された方々が一日も早く安心して生活できる日が来ることを心よりお祈りすると共に、私も自分にできる形で支援をしていきたいと思っております。そして新年という区切りにおいて、改めて今の自分の命に感謝をし、より一層皆様のお役に立てるよう努めていく所存です。
それでは、あらためて本日の更新についてですが、
本日は新年の挨拶を兼ねまして、ソムリエ・ワインエキスパート認定試験受験計画をぶどう栽培の一年(北半球)に合わせて書き連ねてみようと思います。
元旦という区切りも縁起も良きこの日に、この一年の計画を一緒に見据えてみましょう。
ブドウ栽培の一年~敬頌新禧
一月・二月
ブドウの樹はまだ休眠中です。凍害を防ぐ為の【土寄せ:仏ビュタージュ:英ヒリング】を終えています。年が明けて寒さが最も厳しくなる頃、栽培計画をもとに【剪定:仏タイユ:英プルーニング】作業に入ります。剪定とは不要と思われる枝や蔓を切り落とすことで養分バランスを整え、ブドウの質と量を確保するための大切な作業の一つです。あわせて農薬散布や除草など、三月に芽吹いた時のための準備作業が中心です。
ソムリエ試験受験者はこの時期になんとしても合格するという決意を固めなくてはなりません。この強い決意が合格を引き寄せます。
これまでの自分の生活スタイルを見直し、試験勉強に取り組む環境を整える必要があります。また、時間を見つけてワインに関するさまざまな書籍に目を通すことをお勧めします。こうして読み蓄えた知識や経験が試験対策としても大いに役立つはずです。
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三月・四月・五月
冬が終わり春の気配を感じる頃、休眠中であったブドウの木がその目覚めを知らせるように、剪定した枝のさきから【樹液の溢出:仏プルール:英サップ・ブリーディング】があります。この時期に秋から冬に寄せた土を戻します【畝くずし:仏デビュタージュ:英デヒリング】。その後、気温の上昇によって剪定部分から新たな芽が姿を見せます【萌芽:仏デブールマン:英バッドバースト】。小さな葉が開き始め、緑色の若枝が出始めて【展葉:仏フイエゾン:英リーフ・グロウス】、今年のブドウ栽培が本格的にスタートとなります。五月になるとつぼみが現れ始めます。【仏ブルジョン・ア・フルール:英インフロレッセンス】
試験対策も本腰を入れて始めなくてはならない時期になります。なにかと慌しい春先ですが、この時期に試験対策を中心とする生活のリズムを形成できるかどうかが、今後の流れを大きく左右することになるでしょう。フランス、イタリア、ドイツは五月末までにサラッとでもいいので一通り終えるように努力しましょう。
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六月・七月
つぼみが【開花:仏フロレゾン:英フラワリング】し、ちいさな白い花を咲かせます。その後しばらくすると、ブドウの房が現れ始めます。あわせて、不必要な花芽を切り落とす【夏季剪定:仏ロニャージュ:英サマー・プルーニング】を行います。
この時期の気候がブドウの質と収穫量に大きく影響します。適度に雨が降り暖かい天候が続けば健全なブドウができますが、大雨や雹などの悪天候に見舞われると結実度が下がり病害に見舞われる確率が高くなります。
過去問や問題集を利用しフランス、イタリアなどこれまで学んだことを日々復習しながら、新世界などその他の地域に関しても対策を進めましょう。とにかく、この時期は自由になる時間はすべて試験対策に充てるつもりで取り組まなくてはなりません。なりふり構わず、自分を信じて努力し続けることです。この時期が試験対策最大の山場です。
八月・九月・十月
ブドウが【色づき:仏ヴェレゾン:英ヴェレゾン】を始めます。ここまで来るとブドウ栽培者も一段落でバカンスに出かける方もいるくらいです。夏の終わりから秋になるころ、ブドウが【成熟:仏マテュリテ:英ライプニング】するピークを見計らって【収穫:仏ヴァンダンジュ:英ハーベスト】です。開花から100日が収穫の目安とされています。
受験を決意した日から数ヶ月が過ぎたことになります。ブドウが収穫され、2025年ヴィンテージのワインが出来上がる(発酵が終わる)ころには皆様は有資格者となっているはずです。
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ソムリエ試験対策は何よりも毎日コツコツと続けることが合格への最短の道です。さまざまな情報が飛び交っているでしょうが、実際にはどれもそれほど違いはありません。自分の信じたやり方で十分合格できるはずです。
今年一年の頑張りが今後の人生を大きく変えるかもしれません。
今年の秋には皆さんがそろって合格できるような講座にするために私も精一杯頑張ります。これから秋までお付き合いください。
良い天候に恵まれたブドウの木が、完熟したブドウの実をつけ素晴らしいワインになるように、
今年の皆さんの試験対策が順調に進み(良い天候に恵まれ)、試験対策を無事乗り切り(完熟のブドウとなり)、必ず合格する(素晴らしいワインになる)ことを心よりお祈り申し上げます。
牧野 重希
info@majime2.com
牧野 重希
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新年おめでとうございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。元旦に第4回を読み2025年WEへのスタートがきれました。昨年の失敗を含めて私なりの取り組みの一つに問題の意味を知り、記憶する事があげられます。何度問題に取り組んでも、意味が分かってない。しかも記憶していないから、答えられない。そして、すぐ教材に戻るという繰り返しの中で、不合格。原因を高齢、地方、実務、等々あげても言い訳でしかない事はわかっている。ちゃんとワインについての意味を知り、記憶のために繰り返す事が今年の目標。目標達成は、WE合格とその先のワインライフへと繋がると信じて、「ちょっとまじめに」に取り組みたいと思っています。このコメントを書きながら年始の決意を確認しました。ありがとうございます。
竹村様
まずは返信が大変遅くなり申し訳ありません。
ブログのコメントへのご連絡のメールがいつの間にか迷惑メールにふりわけられてしまっており、気づくのが遅くなってしまいました。
決意のメール、ありがとうございます。
昨年は悔しい思いをされたんですね。それでも再び受験を決意されたことに敬意を表します。
ソムリエ試験の勉強は確かに楽しいことだけではないと思います。
最終的には暗記がついて回りますので。
それでも、コツコツ覚えていけば必ず合格できる試験です。
最後まで応援いたしますので、
まずは一次試験の7月・8月まで一緒に頑張りましょう!