2022年度講座開講!CBT試験対応!ワインスクールに通わずとも合格できるということ。

CBT過去問・想定問題 ロワール編

2022/02/18
 
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第21回

今回はロワール地方の過去問・想定問題です。

ですが本題の前に、CBT想定問題ボルドー編の回で紹介した「ボルドーワインの歴史」の続きをお伝えします。
前回を忘れてしまった方はこちらで復習してみて下さい。

 

ボルドーワインの歴史2

さて、現代のように簡単に“もの”を運ぶことができる時代ではない中、ワインという重い液体を運ばなくてはならない以上、ワイン生産地に求められた条件は「消費地に近い」または「水運に恵まれている」ということでした。当時のワインの一大消費地はパリを中心とするフランス北部、当然パリ周辺も一大ワイン産地でしたが、比較的冷涼な気候である為、作柄が安定しませんでした。一方で、アンリとアリエノールが治めるフランス西海岸地域は北大西洋海流の影響で温暖、水運にも恵まれていた為、ワインの供給地となっていました。ただ、この時代のワイン産地は今のメドックやグラーヴなどの私達が知るボルドーではなく、ポワトゥー地方(ロワール河河口)や当時からガスコーニュのワインと呼ばれたボルドー周辺(ソムリエ試験的には南西地方)が中心でした。

ちなみに、パリには、ディジョン(ブルゴーニュ)付近を源とし、パリを経由してノルマンディー地方を経て、イギリス海峡に流れ込んでいるフランス第二の河川セーヌ川が流れています。

この当時の西海岸の主要な港はボルドーと少し北にあるラ・ロシェルでした。この時代、主要消費地パリがフランス北部にあるためか、市場では酸味が豊かなワインが主流で、赤ワインが多いボルドー周辺のワインよりも白ワインが主体のポワトゥー地方のワインの方が好まれていました。

ボルドーの港からボルドー周辺のワインが、ラ・ロシェルの港からポワトゥー地方のワインがそれぞれ輸出されるようになり、ライバル関係となっていきます。

アリエノールの息子プランタジュネット朝二代目の王、リチャード1世は王子時代にアキテーヌ公としてボルドーに住んでいた為、ボルドー周辺地域のワインをイングランドの宮廷でも重用しました。

また、プランタジュネット朝三代目、ジョン1世はイングランド国内で消費されるワインの価格を定めた勅令を出しております。筆頭はポワトゥー地方のワイン、次いでアンジュのワイン(ロワール地方で出てきます)、パリ周辺のワインと続き、4番目にボルドーとなっていました。この12世紀当時、ボルドー周辺のワインは徐々にイングランドに浸透し始めていたとはいえ、まだまだ重要な産地とはみなされていませんでした。

このようにワイン交易において、パリだけでなくイングランドにおいてもボルドーは後塵を排していました。都市としては大司教のいる歴史あるボルドーが新興都市ラ・ロシェルよりも格上であったにもかかわらずです。ただ、リチャード1世以降、次第にボルドーを優遇する政策がとられ、ラ・ロシェルとの勢力争いが激しくなっていきます。

1206年、ジョン1世はフランス王に対する臣下としての忠義の義務をはたしていないという理由で、アキテーヌ地方を除くフランス国内の領土を没収されます。同年、ボルドーはカスティーリャ(スペイン中央部)に侵攻されますが、なんとか食い止め、この件をきっかけにボルドーに市長を置き、徐々にボルドー優遇の政策を進めるようになります。

その後、フランスは国内に残るイングランド勢力を一掃するために西海岸地域に侵攻、ボワトゥー地方の諸都市やラ・ロシェルは早々に降伏しフランスに復しました。しかし、唯一ボルドーだけはフランス軍と戦い続け、イングランドに忠誠を保ち続けました。ボルドーはフランスと決別し、イングランドと進む未来を選んだということです。

結果、ラ・ロシェルからの商船はイングランドから締め出され、ボルドーがイングランドのワイン産地としてイングランドのワイン市場を独占するようになります。必然的にイングランドの王宮で共されるワインはボルドーワインとなり、貴族社会にはなくてはならないものとなっていきます。その後、イングランドの勢力拡大によってヨーロッパ各地にボルドーワインが広がっていきます。とはいえ、この当時、いわゆる現在のボルドーのワイン産地(メドックなど)はまだまだ未開の地で、ようやく14世紀初頭頃から徐々にブドウ畑に変わっていくといった時代でした。

 

ボルドー以外の領地を失ったイングランド王家からはフランス色が薄れていきます。1333年、イングランド王エドワード三世は、のちにイギリスとなるスコットランドに侵攻、これに対しスコットランド王はフランスに亡命し、フランスの庇護下に入ります。イングランドとフランスの関係がさらに悪化することに。ついにフランス王はイングランド王エドワード三世に対し、ボルドー地方を没収することを宣言しました。対するエドワード三世はフランス王に対する臣下の礼を撤回し、フランスに宣戦布告します。こちらが有名な英仏百年戦争のはじまりです。

当初、戦局を優位に進めたイングランドは、アジャンとカオール(共に南西地方の都市)、ノルマンディー地方を取り戻します。しかし、アジャンとカオールの両都市がイングランド王の支配に抵抗したため、イングランド王エドワード三世は「ガロンヌ川上流地域のワインをクリスマス以前にボルドーの港から積み出すことを禁止する」という禁止条項を認めました。これは「ボルドー特権」と呼ばれ、ボルドーはこれまで一大産地であった南西地方のワイン貿易を独占し、大きな発展へとつなげていきます。ボルドーの街は南西地方から流れるドルドーニュ川とガロンヌ川の合流地点付近にあり、水運に頼るしかない当時としては、上流地域(南西地方)のワインはボルドーの港を経由しないとワインを輸出できない地理的条件でもありました。

気温が安定し雨が少なく乾燥したカオールなどの産地と比べ、この時代のボルドーのワインは、気候的にも土壌的にも、そして品質的にも劣っていたと言われています。それでも、上記の「ボルドー特権」のおかげで上流地域のワインが売れず、南西地方のワイン産地は次第に衰退していきました。

こうしてブドウ栽培地としては決して恵まれた土地ではなかったボルドーが、イギリス王に忠誠を尽くしたおかげで、ボルドー特権を勝ち取り、イギリスのワイン市場を独占するまでにいたり、そしてさらなる繁栄の時代へと突き進むのです。

現在のボルドーは、メドックを中心とする高級赤ワインの産地として世界的に名を馳せておりますが、15世紀当時のメドックはブドウ栽培に適した土地が少なく、湿地や沼地ばかりでした。それでも、ジロンド川河口付近であり、簡単に海に出ることができ、さらにボルドーを通過する必要のないことからも徐々にブドウ畑が開墾されていきました。しかし、この流れに対してボルドーはまたもや「ボルドーより下流のジロンド川沿いから外国向けにワインを積み出すことを禁ずる」という王令をイギリス王より勝ち取ります。未開の地ではあったものの、潜在能力のあるメドックのワイン畑拡大の流れは一時縮小方向に進みます。

時代は進み1453年、ジャンヌ・ダルクの活躍を経て、カスティヨン(ボルドーのAOCで出てきます)の戦いにて英仏百年戦争が終結、ボルドーがフランスの領土となります。これまで私たちが習った歴史では「イングランドに占領されていたボルドーがフランスに戻った」となりますが、当のボルドーにおいては「イングランド王に忠誠を誓い、イングランドとして交易や保護政策で利益を得ていたボルドーがフランスに征服された(屈服した)」となるようです。

イギリスから得ていたボルドー特権は、当然フランスに帰属した瞬間になくなりました。ただ、ボルドーワインによって外国からの利益が見込めることをフランスも理解しており、わずか一年後に限定的に、そして、戦争終結から10年後には完全に、イギリスから得ていたボルドー特権「上流地域(南西地方)のワインのクリスマス以前のボルドー通過を禁止」、「下流地域(メドック)から外国向けにワインを出荷してはならない」が復活します。そして、この特権は1776年に廃止されるまで300年以上にわたって維持され、ボルドーに繁栄の時代をもたらすのでした。

出典:ボルドーでワインを造ってわかったこと (日本ワインの戦略のために)

ボルドーの歴史は次回で最後です。

 

それでは、ロワール地方の想定問題です。
2021年は集まった問題が少ないですが、出題頻度までは予測できません。

それでも、毎年同じような出題が多いので確認しましょう。

※表紙の写真はSancerreのブドウ畑です。

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CBT過去問・想定問題 ロワール編

 

↓想定問題の回では毎回同じ記述を添えております。ご存知の方は読み飛ばして下さい。
※これらの問題は受験された方々からいただいた出題情報をもとに、私が手直したものです。CBTという特性上、全く同じ問題という確証は取れませんので<想定問題>とさせていただきました。
実際の試験では選択肢方式ですが、問題量も多いのでそこはつけておりません。また各回の過去問と同じく解答はつけておりませんが、実際の試験で何を問う問題だったのかがわかっている問題は解答をつけました。
【答】マークの右横を選択、もしくはタップや長押し(スマホ・タブレットの方)を長押しをしていただくと解答が見れるように同系色の文字で記載してあります。
各年度の問題量は、提供していただいた情報量にもとづいており、出題頻度とは無関係です。ランダムに配置しましたので、試験感覚で復習してみて下さい。

目次

 

2018年

 

・「フランスの庭園」といわれる地方は?

・AOC Sancerreにおいて認められている黒ブドウ品種を選べ。

・アンジュ・ソーミュール地区において、ロワール川右岸にあるAOCは?

・フランス王フランソワ1世によってアンポワーズ城の近くに邸宅を与えられ、亡くなるまでの3年間を過ごした歴史上の人物は?
【答】 レオナルド・ダ・ヴィンチ

・ペイ・ナンテ地区が面する海は?

・AOC Pouilly Fumeにおいて認められているブドウ品種を選べ。

・トゥーレーヌ地区において、ロワール川右岸にあるAOCは?

・AOC Gros Plant du Pay Nantaisの主要ブドウ品種は?

・ナヴァラン・ダニョーとは?
【答】 仔羊とカブ(野菜)の煮込み料理。ペイ・ナンテ地区付近の郷土料理で、フランスのビストロ料理の定番です。フランス語でカブがナヴェ、仔羊がアニョーです。

・アンジュ・ソーミュール地区において、半甘口のロゼが認められているAOCは?

・AOC Pouilly Fumeの主な土壌の一つを選べ。
【答】 カイヨットと呼ばれる石灰岩の小石、シレックス(火打石)が混じる粘土

・AOC St-Nicolas-de-Bourgueilにおいて認められている黒ブドウ品種を選べ。

・AOC Anjou Villagesのワインのタイプ(生産可能色・甘辛・泡)を選べ。

・AOC Bonnezeauxの説明として正しいものを選べ。

・サントル・ニヴェルネ地区において、ロワール川右岸にあるAOCは?

・ロワール地方において、辛口から甘口まで、また発泡ワインも認められているAOCは?

・アンジュ・ソーミュール地区において、果汁糖度の規定値が最も高いAOCは?
【答】 Quarts de Chaume

・サントル・ニヴェルネ地区において、ロワール川右岸にあるAOCは?

・AOC Coteaux du Vendomoisが属する地区は?
【答】 トゥーレーヌ地区の地図の⑨です。

・ロワール地方において、Gros Plantと呼ばれるブドウ品種は?

・AOC Chevernyにおいて認められている黒ブドウ品種の組み合わせとして正しいものを選べ。

・ロワール地方のチーズを選べ。
【答】 サントモール・ド・トゥーレーヌ

・アンジュ・ソーミュール地区のAOCを選べ。

・アンジュ地区の主な気候は?

・AOC Montlouis sur Loireが属する地区は?

・ソミュールから中心都市トゥールを超え、東はオルレアンに至るワイン産地(地区)を選べ。

・Tarte Tatainとは?
【答】 リンゴのタルト。リンゴを煮るつもりが、忙しさのあまり焦がしてしまい、捨てるのもということで、上にパイ生地をのせてオーヴンで焼き、ひっくり返すと見事なリンゴタルトに。という失敗からという逸話が有名です。

・AOC Pouilly-Sur-Loireにおいて認められているブドウ品種を選べ。

・AOC Chinonにおいて認められている黒ブドウ品種を選べ。

 

2019年

・AOC Coteaux du Loirのワインのタイプ(生産可能色・甘辛・泡)を選べ。

・「ブルトン」「グロロー」「カベルネ・ソーヴィニョン」「ピノ・ノワール」の中からAOC Rose d’Anjouにおいて認められていないブドウ品種を選べ。
【答】 ピノ・ノワール(知らなくても違和感を感じるようになればソムリエ試験的感覚が芽生えてきてます)

・AOC Sancerre において認められている黒ブドウ品種を選べ。

・醸造過程で発生した澱をそのまま底に残した状態で熟成させる方法は?

・AOC Chevernyにおいて認められている白ブドウ品種を選べ。

・AOC Vouvrayにおいて認められているブドウ品種を選べ。

・ロワール地方におけるシュナン・ブランのシノニムは?

・AOC Cremant de Loireのワインのタイプ(生産可能色・甘辛・泡)を選べ。

・カベルネ・フランのロワール地方における呼び名は?

・AOC Chinonにおいて認められている黒ブドウ品種を選べ。

・ロワール地方のチーズを選べ。
【答】 セル・シュル・シェール(山羊)

・アンジュ・ソーミュール地区において、ロワール川右岸にあるAOCは?

・AOC Pouilly-Sur-Loireにおいて認められているブドウ品種を選べ。

・AOC Valencayのワインのタイプ(生産可能色・甘辛・泡)を選べ。

・サントル・ニヴェルネ地区において、ロワール川左岸にあるAOCは?

・AOC Cabernet d’Anjouのワインのタイプ(生産可能色・甘辛・泡)を選べ。

・「AOC Chinon」「AOC Savennieres」「AOC Bonnezeaux」「AOC Montlouis sur Loire」の中で最も西に位置しているものを選べ。

 



2020年

・AOC Gros Plant du Pays Nantaisにおいて認められているブドウ品種を選べ。

・AOC Saint-Nicolas-de-Bourgueilが属する地区は?

・アンジュ・ソーミュール地区の主な気候は?

・AOC Pouilly Fumeのキンメリジャン土壌の呼び方は?

・AOC Chinonのワインのタイプ(生産可能色・甘辛・泡)を選べ。

・AOC Sancerreのワインのタイプ(生産可能色・甘辛・泡)を選べ。

・トゥーレーヌ地区において、赤ワインのみが認められているAOCを選べ。

・AOC Valencayにおいて認められている白ブドウ品種を選べ。

・AOC Cour-Chevernyにおいて認められているブドウ品種を選べ。

・アンジュ・ソーミュール地区に広がる有名な土壌の名称は?

・AOC Coteaux du Giennoisが属する地区は?

・AOC Coulee-de-Serrantはどの地区に属するのか?

・Melon de Bourgogneの別名は?

・「AOC Rose d’Anjou」「AOC Rose de Loire」「AOC Cabernet d’Anjou」の中から辛口ワインが認められているものを選べ。

・サントル・ニヴェルネ地区においてロワール川右岸にあるAOCは?

・ペイ・ナンテ地区の主な気候は?海洋

・AOC Montlouis sur Loireにおいて認められているブドウ品種を選べ。

・サントル・ニヴェルネ地区の白ワインのみが認められたAOCは?

・AOC Pouilly-Sur-Loireにおいて認められているブドウ品種を選べ。

・AOC Vouvrayのワインのタイプ(生産可能色・甘辛・泡)を選べ。

・ロワール川を挟んでAOC Chinonの向かいに位置するAOCを選べ。

・AOC Saumur Champignyの生産可能色は?

・アンジュ・ソーミュール地区にある白ワインのAOCで、辛口から甘口まで認められているものは?

 

2021年

・AOC Gros Plant du Pays Nantaisの主要品種は?

・サントル・ニヴェルネ地区の白ワインのみが認められたAOCは?
【答】 Quincy

・次のロワール地方のAOCの中から、白ワインの甘口から辛口までが認められているAOCを選べ。
【答】 Savennieres

・Tarte Tatinはどの地方の料理かを選べ。

・トゥーレーヌ地区に属するAOCを選べ。
【答】 Montlouis sur Loire

・ロワール地方のブドウ品種の中で、一般的にSUR LIEを行うものを選べ。

・ロワール川の右岸に位置するAOCを選べ。
【答】 St-Nicolas-de-Bourgueil

・Brochet au Beurre Blanc、Tarte Tatinが特産の地域は?

 

お疲れ様でした。

次回からシャンパーニュに入ります。

 

何かございましたらこちらまで
info★majime2.com 松岡 正浩







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